編集者が最も信頼するのは“書き切る人”!?作品の完成度と同じほど重要な作家に必要な「能力」とは【クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方】

書く前にやっておきたい編集目線の下準備

物語を書きはじめる前に、用意しておきたいことがあります。「どの賞を狙うか?」「その賞の読者は?」執筆に入る前に、スケジュールまで設計していくことが大切です。


面白い作品を書くなら余裕のある進行が大切

編集者が信頼するのは“最後まで書き切れる人”です。無理のない工程設計は、作品の安定感と完成度を高め、長期的な信頼関係を築く土台になります。

要点

  • 締切から逆算して執筆期間を決める
  • 工程を分割すると作業が安定する
  • 執筆における計画性が作品の質を支える

工程を細かく刻んだ執筆スケジュールを作る

 完成度の高さと同じくらい、編集者が重視するのが「締切を守れるか」です。どれほど才能があっても、原稿が上がらなければ企画は成立しません。だからこそ、執筆スケジュールを現実的に設計する力こそが、作家としての信頼の核になります。

 計画を立てる際は、締切から逆算して工程を細かく区切ることが有効です。「構想 → 仮プロット → 初稿 → 推敲」という大まかな流れに加え、章ごとの目安や1日の執筆可能量を数値化すると、作業密度が一定に保たれます。作業の波を平準化することで、心身の消耗も少なくなり、安定した筆のリズムが生まれます。

 立てるべきは“現実的に走り切れるスケジュール”です。執筆は長距離走であり、ペース配分を誤ると途中で息切れします。編集者が求めているのは、突発的な速度ではなく持続可能な安定性です。無理なく完走できる計画性が、あなたの作品を支える基盤になります。

プロの作家は自己管理能力が求められる

 長編小説での受賞目標とするなら、ほとんどの場合、400字詰原稿用紙換算で500枚以内というボリューム規定です。

 一般的にプロ作家の間では、1日7枚以上初稿を書ける人は速筆といわれます。では、もし仮にあなたが1日5枚書ける人だとしましょう。それでも500枚を書き切るには単純計算で100日も要することになります。

 長編小説の書き手になるには、日々の継続的な執筆作業を苦痛に感じないメンタルと、規則正しいタイムスケジュールを実践できる自己管理能力が求められます。今日明日は休むけど、明後日には50枚一気に書くつもり、というムラがある姿勢ではまず期限内での完成は難しく、しかも内容に必ずばらつきや齟齬が生じます。

 自分なりの長編執筆サイクルの確立は書き手としてとても大切な資質です。デビュー前の投稿段階から真摯に取り組みましょう。

長編小説は焦らずに日々の努力を重ねるしかない

原稿用紙500枚を書き切る

1日必ず5枚書く

100日間、毎日書き続ける

合計500枚を書き切れる!

 【出典】『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ

【著者紹介】
秀島迅
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞(KADOKAWA)から選出され、『さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝などの執筆も行なっている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカの篇』二作同時発売(講談社)、語彙力図鑑シリーズなど著書多数。また、コピーライターや映像作家としての顔も持ち、企業CM制作を現在も月10本以上手がけている。

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【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ


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