恐怖や危険で体が動かなくなる理由とは?急ブレーキをかける背側迷走神経の働き【「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論】

興奮や緊張をやわらげるブレーキ役「背側迷走神経」

 背側迷走神経は、脳幹の後方から伸びているため、この名がつけられました。心臓や肺、肝臓、胃腸など、さまざまな臓器を通っています。

 ふだんは興奮や緊張をやわらげるブレーキとして働いていますが、「怖くてたまらない」「命が危ないかもしれない」という状況になると、生き延びるために急ブレーキをかけて、究極のサバイバルモードである「凍りつき・不動」モードに突入します

 この「凍りつき・不動」モードに移行すると、呼吸は浅くゆっくりに。表情が消えて動けなくなるなど、体のほとんどの機能がシャットダウンします。安全が確認できると、このモードは解除され、体は元のように機能しはじめます。

背側迷走神経の役割

イラスト:なか

興奮や緊張をやわらげるブレーキ役。心身が大きな危険にさらされると、急ブレーキをかけて「凍りつき・不動」モードに移行します。ひとりでリラックスしているときにもこの神経がほどよく働き、「休息」「消化」を促してくれます。

背側迷走神経が強く働いていると

◯ 表情がない
◯ とてもゆっくりもしゃべる
◯ 声が小さい、しゃがれている
◯ 猫背になっている
◯ 全身がこわばっている
◯ 呼吸が浅くてゆっくり
◯ 視線が定まっていない

イラスト:なか

【出典】『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』著:浅井咲子 / イラスト:なか

【著者紹介】
浅井 咲子
公認心理師、神経セラピスト。立教大学卒業後、外務省在外公館派遣員として在英国日本国大使館勤務。その後、米国ジョン・F・ケネディ大学院にて、カウンセリング心理学の修士課程(身体心理学専攻)を修了。オークランドの地域カウンセリングセンターにて研修を行う。帰国後、教育センターや企業内で相談員として勤務。2008 年、セラピールーム「アート・オブ・セラピー」を設立し、自己調整とレジリエンスのある生活を提案し続けている。
著書に『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめるポリヴェーガル理論』(日本文芸社)、『不安・イライラがスッと消え去る「安心のタネ」の育て方』(大和出版)、『「今ここ」神経系エクササイズ』『「いごこち」神経系アプローチ』(梨の木舎)、翻訳書に『子どものトラウマ・セラピー』『トラウマによる解離からの回復』(国書刊行会)、『レジリエンスを育む』『発達性トラウマ治癒のための実践ガイド』(岩崎学術出版社)など。
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ブログ: https://ameblo.jp/artoftherapy/
HP「ART of therapy」: https://assakijp.wixsite.com/artoftherapy/profile

【書誌情報】
『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』
著:浅井咲子 / イラスト:なか


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ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士が提唱した神経理論で、
自律神経を「交感神経」と「2つの副交感神経(背側迷走神経・腹側迷走神経)」の3つとして捉えます。

・人の表情や声色、変化によく気がつく
・大事なイベントの前にネガティブなイメージをしがち
・登園時、登校時はこれから過ごす時間を考えて泣いてしまう
・にぎやかな人の近くにいると、いつもイライラ
こうした「不安ぐせ」は性格から生まれるものではなく、
心と体を守ろうとする安全システムが働くことで生まれるもの。

本書では、ポリヴェーガル理論にもとづき、
子どもの「不安ぐせ」のしくみをやさしく解説しながら、
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