パターの打ち方に基本はない?「形」に迷うゴルファーに贈るパッティングの真実

「パッティングをするときは、手首を固定して、肩のストロークで打ちましょう」 「インパクトで頭(ヘッド)を決して動かしてはいけません」

ゴルフのレッスン書や初心者向けの動画を見れば、必ずと言っていいほどこうした「パターの基本」が解説されています。

しかし、その「基本」を真面目に守ろうとするあまり、身体がロボットのようにギチギチに硬くなり、かえってパットが入らなくなってしまっているゴルファーが非常に多いのをご存知でしょうか。

結論から言いましょう。

パッティングに「正しい打ち方」や「絶対の基本フォーム」など存在しません。

今回は、名作ゴルフ漫画『ゴルフは気持ち』第20話「パットの秘密」から、レッスン書の呪縛を解き放ち、自分にとって最もスムーズで「入る」パッティングを手に入れるための、本質的なアプローチを解説します。


伝説のプロが遺した「パットの本質」

かつて、日本のプロゴルフ界で活躍したレジェンド、坪庵信道(つぼあん しんどう)プロは、パッティングについて次のような極めてシンプルな金言を遺しています。

「パットは要するに入れればいいんです。どんな打ち方をしても構いません」

世の中には、「手首を使うな」「頭を動かすな」という指導が溢れていますが、坪庵プロはそれらを一蹴します。

「手首を使おうが、頭を動かそうが、入れればいい!」

これがパッティングの究極の心理であり、本質です。 実際、世界のツアープロたちのパッティングフォームを見てみてください。 教科書通りの美しいストロークをする選手もいれば、手首を使いながらパチンと弾くように打つ選手、極端に前傾姿勢が深い選手、パターをあごに固定するような独特なスタイル(長尺パター)など、千差万別です。

彼らに共通しているのは、「綺麗なフォームで打っていること」ではなく、「自分にとって最もボールをカップに入れやすい打ち方を知っていること」だけなのです。


「基本の型」がパットを壊すメカニズム

なぜ、基本とされるフォームにこだわりすぎるとパットが入らなくなるのでしょうか?

理由は、私たちの意識が「ボールをカップに入れること」から、「正しい形でパターを振ること」へすり替わってしまうからです。

人間の身体は、意識を制限されると途端にスムーズな動きができなくなります。

  • 「手首を動かしてはいけない」と強く意識する
    →手首の余計な緊張が肩や腕に伝わり、ストローク全体がぎこちなくなる。
  • 「頭を動かしてはいけない」と過剰に意識する
    →首まわりが硬直し、ボールを押し出すための自然な体重移動やフォローが出なくなる。

レッスン書に書いてある「基本」は、あくまで「そうすると上手くいきやすい人が多い」という最大公約数に過ぎません。

それに自分を無理やり合わせようとすると、身体の野生的なセンス(距離感やタッチ)が失われてしまうのです。


「パット迷子」から脱出するための3原則

もしあなたが現在、パッティングのフォームやグリップで迷走している「パット迷子」なら、一度すべての理論をゴミ箱に捨てて、以下の3原則に従って打ってみてください。

原則1:自分が「一番気持ちよく構えられる形」で立つ

足幅、前傾角度、ボールとの距離など、すべて「自分が一番楽で、違和感がない姿勢」を基準にします。誰かに「おかしなフォームだ」と言われても気にする必要はありません。

原則2:グリップの握り方は、ボールを転がしやすいと感じる握り方でOK

逆オーバーラッピング、クロスハンド、クローグリップなど、様々な握り方があります。 「これならタッチ(距離感)が合わせやすい」と感じる握り方が、今のあなたの正解です。

原則3:打ち方よりも「ボールの転がり」に集中する

フォームがどうなっているかは一切気にせず、「あのカップまでボールをどう転がしていくか」というイメージだけに集中します。子供が公園でボールを転がして遊ぶとき、肘の角度や手首の固定などは考えません。あの「自然な感覚」を取り戻すのです。

パットが上手い人は、自分の個性を知っており、それを信じています。 「入れれば、どんな打ち方でも大正解」。 レッスン書の呪縛から自らを解放し、あなただけの「入るパッティング」をのびのびと表現していきましょう!

【DMMブックスで購入する】
【Amazonで購入する】

【書誌情報】
『ゴルフは気持ち(1)』
著:いけうち 誠一

ゴルファーなら誰もが経験する、その喜怒哀楽を臨場感あふれる細やかなタッチで描く、ゴルフ指南書!!
ゴルフは技術より、気持ちがものをいう。コンペの前の日に女房の父親が倒れた!
そんな時は「早く駆け着けなければ」という一心で、細かな結果を気にしなくなる。すると、そんな時ほど良いスコアがでるもので…!?

この記事のCategory

求人情報

インフォテキストが入ります