味沢匠が10万円の人気歌手からのオファーを拒絶した100万円の矜持【漫画 ザ・シェフ】

第31話「ホワイト・クリスマス①」で描かれた、味沢匠のあまりに冷酷、かつ圧倒的に正当な「プロの基準」を徹底解説します。

華やかなディナーショーの裏で渦巻く接待政治

舞台は「ニュー銀座ホテル」。人気歌手・白木雅彦のクリスマス・ディナーショーで沸き立つ中、裏側では「ディスク大賞」獲得を狙う事務所の醜いエゴが渦巻いていました。

彼らにとって料理は、審査員を懐柔するための「接待の道具」。その重要な一手を担わせるべく、彼らは「幻の料理人」味沢匠に接触を図ります。

「話にならん!!」味沢が椅子を蹴り飛ばした真意

白木のマネージャーは、厨房にいた味沢に「手間料だけでズバリ十万円」という提示をします。当時の金銭感覚では破格の提示。

しかし、味沢は「話にならん!!」と吐き捨て、目の前の椅子を蹴り飛ばして拒絶します。 激昂するマネージャーを尻目に、味沢は一切の妥協を許しません。

彼が求めているのは「作業の対価」ではなく、自身の技術への「正当な評価」だったのです。

相場は100万円。沼尻料理長が悟った「格の違い」

なぜ味沢は10万円を拒絶したのか?

その答えは、ホテルの沼尻料理長の言葉に集約されています。「味沢さんの場合、100万円仕事が残っている現場なんですよ」。 

10万円を「贅沢な生活費」と捉える一般感覚と、100万円の価値を当然として提供するプロの世界。この圧倒的な埋められない溝こそが、味沢匠を孤高の存在たらしめているのです。

<第1話:幻の料理人①>を読むにはこちらから
https://love-spo.com/article/the-chef_001

『ザ・シェフ』次回へ続く!

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【書籍情報】
『ザ・シェフ』
原作:剣名舞
劇画:加藤唯史

法外な報酬を要求するが、依頼人の希望に応じて料理を作り上げる天才シェフ・味沢匠(あじさわ・たくみ)の活躍を描いた料理劇画。石油産出国であるパミール王国でその全権を握る大臣は、外務省関係者がもてなす帝都ホテルの晩餐をほとんど食べ残して帰る。そこで「幻の料理人」と呼ばれる天才シェフ・味沢匠が、大臣を満足させる晩餐を作るように依頼されるが、味沢はその報酬として500万円を提示して……!?

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