「女は船に乗るな」伝統の壁に挑む“女性だけの漁船”――甘えを許さぬプロの現場に漂う「本物の誇り」【漫画 ツナガール!!】

「海の男の世界」という強固な固定観念が今なお残るマグロ漁船。その伝統と偏見の壁に真っ向から挑む、女性漁労長率いる「目神丸」を舞台にした物語、『ツナガール!!』第2話②が注目を集めています。そこに描かれているのは、性別を超えた「プロフェッショナルの峻烈なリアル」です。

厳しくも温かい――女性漁労長との出会い

主人公が出会ったのは、圧倒的なカリスマ性と威厳を放つ女性漁労長でした。初めてその手に触れたとき、主人公は「漁労長って呼ばれてた人の手は、思ってたよりやわらかくて温かかった」と、同じ女性としての体温を感じます。

しかし、その直前に放たれていた言葉は、温かな手の感触とは対照的な、氷のように鋭いものでした。「マグロ漁船は甘くねぇ」。優しさだけでは決して生き残れない、一瞬の油断が死に直結する過酷な現場を統べるリーダーとしての、容赦のないプロの洗礼。そのギャップこそが、彼女が背負ってきた現場の重みを物語っています。

周囲の偏見を跳ね除ける「目神丸」の誇り

伝統的な漁業の世界において、「目神丸」が受ける視線は決して友好的なものばかりではありません。港の男たちからは「女だけで漁労なんて無茶なんだよ」「海には女神さまがいて女は船に乗っちゃいけねぇのに」といった、偏見や心ない言葉が投げかけられます。

しかし、これは単なる偏見を描いた物語ではありません。旧態依然とした業界の構造に、たった一隻の船で風穴を開けようとする彼女たちの姿には、真の職業人としての誇りが満ち溢れています。

甘えを許さない「プロの現場」への第一歩

「借金や生活困窮程度の覚悟で乗れるほど、マグロ漁船は甘くない」。 漁労長は、あゆかが抱える経済的な窮状を察しながらも、安易な救済の手は差し伸べません。

海に出る以上、必要なのは「可哀想な事情」ではなく、現場で利益を生む「価値」であると突きつけます。この峻厳なプロ意識こそが、本作をお仕事漫画として一段高い次元へと押し上げているのです。

【書籍情報】
『ツナガール!!』
著:町田とし子

『ツナガール!!』表紙 ©町田とし子/日本文芸社

【あらすじ】
「あんたはいいね…妹で。ダメな奴なのに、皆に愛してもらえる」
幼いころから、姉に〝ダメな妹〟というレッテルを貼られ、18年間を生きてきた大山あゆか。

母に愛され、姉に守られ、確かに甘やかされて育った自覚はある――。
でも、そんな自分を変えたくて、少女は決断する!

「マグロ漁船に乗りたいっ!!」

身の程知らずは承知の上!!!
超過酷マグロ漁船に、ゆとり女が自ら志願し挑むッ!!!!

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