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古代インドで仏教教団が大きくなれた理由とは?

釈迦がシティボーイだったから

前述したように、古代インドで仏教が発展した背景には、都市の発達がありました。都市では経済活動が盛んになり、各種の商売が行なわれていました。貨幣も流通するようになったのもこの頃のことで、有力な王国は競って銀貨を造りました。こうしたことにより、王族などの上流階級に富が蓄積されるだけではなく、商売を通じて富豪になる者も出てきたのです。 そんな様子が仏典にも垣間見えます。

ある豊かな青年は、自分が多くの修行者に布施していることを自慢して、こう言っています。「法に適った仕方で儲けた財を、1人にも与え、2人にも与え、3人にも与え、……50人にも与え、100人にも与え、さらに多くの人にも与えます。そうしたら福徳は得られましょうか〈*〉」こうした富裕な人々は経済的にも精神的も余裕があるため知識欲が旺盛で、当時勃興してきたバラモン教に批判的な宗教家・思想家を招いて教えを受け、その活動を支えました。 自身がシティボーイであった釈迦は、そうした都市住民への理解が深く、商売に対しても寛容でした。つまり、釈迦の教えは都市住民がまさに求めていたものだったのです。

興味深いのは、釈迦の教団を支えた資産家の中に遊女が含まれていたことです。当時のインドには、資産をもち知識人として一目置かれた遊女がいたのです。ヴァイシャリーに住むアンバパーリもその1人でした。釈迦は彼女がもつマンゴー林に滞在し、食事などの布施を受けています。そして、戒律や精神統一などについて説いたと伝えられています。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 仏教』
監修: 渋谷申博

イラストや図解を交えた61項目。はじめての人でも仏教の知識や教え、日本の文化がよくわかるエンターテインメント雑学本です。大人の学び直しにおススメ!  「お寺はもともと雨宿りする場所だった」「仏教教団が大きくなったのは、釈迦がシティボーイだったから」「お坊さんの袈裟は、もとはゴミ捨て場の布だった」など、驚きのエピソードや初耳学が満載。仏教って、こんなに楽しい!

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