飛行機は“3次元で自動運転”する時代!FMSのすごい仕組み【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】


飛行管理(FMS)システムとは
エンジン制御機能も加わって、3次元の誘導が可能に
飛行機の運航に重要なものには、エンジン制御機能もあります。飛行機の運航にはエンジン制御と切り離しては考えられません。それがオートスロットルと呼ばれる、離陸や上昇などの最大推力の算出、設定や、速度維持などを自動的に行なう装置です。
エンジン制御機能が加えられたことは、誘導機能が水平方向(ラテラル・ナビエーション、水平航行)だけではなく、垂直方向(バーチカル・ナビゲーション、垂直航行)もできるつまり3次元の誘導ができるようになったことを意味します。
またオートスロットルは、速度の変化などに対して、生真面目に、かつきめ細かく対応できるようになったため、パイロットのワークロード軽減だけではなく、燃費も飛躍的に向上しました。
オートパイロットとオートスロットルをまとめて管理するのが、飛行管理システム(FMS)です。
システムの中のFMCと呼ばれる中央コンピュータは、膨大なエンジンデータや航法のデータが内蔵されています。そのためパイロットが入力したデータや、外気から得たデータ(エアデータと呼んでいます)などから、もっとも経済的なルートや飛行速度などを算出することができます。そしてエンジン制御や、各舵面を動かして水平方向、垂直方向の自動誘導を行なうことができるのです。
FMSの機能を、簡単にまとめると、
・航法管理(離陸から着陸まで自動誘導)
・飛行管理(離陸から着陸まで姿勢と推力制御)
・性能管理(最適な高度や速度など算出)
・表示機能(飛行情報を表示)
などがあります。
FMSとは

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治
「飛行機はなぜ、どうやって空を飛べるのか」という基本から、最新の知識、身近な航空雑学まで、飛行機の魅力をたっぷり図解でわかりやすく教える一冊。
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