一番大きいと“性転換”!? クマノミの知られざる驚異の生態とは【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】


カクレクマノミは基本オスだが、群れの中で一番大きいとメスになる
かわいいだけじゃないクマノミの生態
鮮やかなオレンジと白のしま模様が特徴の「カクレクマノミ」。イソギンチャクの中に隠れて生活することから「カクレ(隠れる)」という名前がついています。
彼らがイソギンチャクに隠れる理由は、天敵から身を守るため。イソギンチャクには毒のトゲ(刺胞)を発射する触手があり、毒に免疫のない生き物は近づけませんが、クマノミには体を包む特殊な粘膜があるため、イソギンチャクと共存しながら身を守れるのです。
反対に、クマノミがイソギンチャクの天敵を追い払ってくれることもあるので、持ちつ持たれつの関係だともいえるでしょう。ちなみに彼らには相性や好みがあり、種類ごとに違うイソギンチャクを選ぶとされています。
アニメ映画で描かれたかわいい姿に一躍人気が高まったクマノミですが、実は珍しい生態があります。クマノミは小さいときにはオスとメスの両方の性を持っていて、成長するとほぼすべてがオスになるのです。その後、群れで暮らすグループの中で一番大きいオスが、なんとメスに変化。さらに、そのグループの中で2番目に大きいオスとカップルになって産卵するという、まさに驚きの連続です。
この不思議な生態は、より多く卵を産めるように進化したものだと考えられています。
カクレクマノミはイソギンチャクと仲よし


クマノミは性転換できる

通常、グループの中で一番大きく成長したオスがメスに性転換する。万が一、そのメスが死んでしまったら、次は2番目に大きいオスが性転換してメスになる!
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん
食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。
魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。
「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。
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