塩+砂糖は最強! なぜ「甘じょっぱい味」は人をとりこにするのか?【眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話/鳥羽周作】

〈鳥羽流〉“おいしい”は味覚のかけ合わせがカギ「塩+砂糖は最強においしい組み合わせ」
「甘じょっぱい」は人をとりこにする
塩と砂糖の組み合わせは、誰もが大好きな味わいです。実際に、多くの人が「うまい」と感じる調味料には、必ずと言っていいほどこの組み合わせが見られます。
たとえば、すき焼きの割り下は、醤油の塩味と砂糖の甘味が渾然一体となり、肉の脂にも野菜のうま味にも寄り添います。めんつゆも同じです。出汁に塩気だけを足すと味がとがってしまいますが、砂糖を加えることで丸みが生まれ、この甘じょっぱさが「安心する味」となるのです。
人は甘味だけでは飽き、塩味だけでは疲れてしまいます。しかし、甘じょっぱい組み合わせは脳に心地よい揺さぶりを与え、食べ続けたくなるリズムを生み出します。
家庭でも、照り焼きや煮物、炒め物をつくっていて少し塩が強すぎたときは、砂糖を加えれば食べやすくなり、逆に甘さがくどいときは塩をひとつまみ。甘じょっぱい調整力を意識すれば、どんな料理も安定して仕上がります。
塩と砂糖のバランスは、料理の味だけでなく食卓の雰囲気まで変えます。しっかりした味つけのすき焼きは宴を盛り上げ、やさしい煮物の味わいは落ち着いた空気をつくってくれるでしょう。甘じょっぱさは単なる味覚ではなく、食べる体験そのものを動かす力なのです。
「塩味+甘味」が安心する味を生む
すき焼きの割り下やめんつゆがみんなに好まれる「安心する味」なのは、塩味と砂糖の甘味が渾然一体になっているから。塩だけではしょっぱく、砂糖だけではくどい。2つが合わさるからこそ、食べ続けたくなるリズムが生まれる。

家庭で使える甘じょっぱい調整
甘じょっぱい組み合わせは、家庭料理の最強の調整術。塩味が強すぎるなら砂糖でまろやかに、甘さがくどいなら塩で引き締めると、食べやすく安定した味に仕上げられる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』著:鳥羽周作
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』
著:鳥羽周作
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そのように食べる人のことを考えるだけで、料理のゴールが設定され、本当の「おいしい!」が生まれます。
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