【特別対談】『AGAVES アガベ』監修者×翻訳者|ズボンを貫通する凶器級のトゲ! それでもプロが「素手」でアガベに触れる理由

決定版図鑑『AGAVES アガベ』特別対談。連載第7回は、アガベの最大の特徴ともいえる「凶悪なトゲ」にフォーカスする。撮影時にはズボンをも貫通するという鋭利なトゲを持つアガベだが、プロの園芸家たちは手袋を使わず、あえて「素手」で触れるといいます。そこには、植物と向き合う深い理由がありました。

45年の付き合いで痛みを感じなくなった!?

―― アガベといえば凶悪なトゲが印象的ですが、お二人は管理する際に革手袋などの特別なアイテムを使っているのでしょうか?

Shabomaniac!:時によって使うこともありますが、基本的には使わないですね。私はトゲの塊みたいなサボテンと付き合って半世紀くらい経つので、もはや痛みを感じなくなりました(笑)。土日の世話が終わると、手のひらにトゲが何個か刺さっていますよ。

dog.keeper:僕も手袋は使わないですね。手袋をすると感覚が分からなくなってしまうので。

――アガベ名品図鑑の撮影の時、本当に泣きそうでしたよ。運ぶ時に、たくさん刺さって。アガベのトゲはズボンとかも普通に突き抜けてきますからね。

dog.keeper:突き抜けますね、本当に凶器級です(笑)。

プロが「素手」にこだわる、質感の確かめ方

―― それでも素手で触るのは、やはり理由があるのですか?

dog.keeper:やっぱり、直接触りたいんですよね。

左はピグマエア(A. pygmaea)、右はストリクタ(A. strictaEchinoagave stricta、写真:Jeff Chemnick)のクローズアップ。思わず身構えてしまうほど鋭いトゲを持つ。

アガベは似たような種類が多くて、見た目だけでは同定(種類を見分けること)が難しい場合があります。ジェレミーも本の中で書いていますが、そうした時に葉を直接触って、ザラザラ感や質感を確かめることが結構大事なんです。

Shabomaniac!:触って初めて分かることがあるんですよ。ザラザラ感のあるなしで種を見分けたり。

dog.keeper:質感、大事ですね。確かに危険な植物ではありますが、手袋越しではなく、自分の肌感覚で植物の質感や状態を確かめる。そうやって植物と直接コミュニケーションを取るのも、アガベ栽培の面白さの一つですね。ただし、素手派の私たちはちょっと感覚が麻痺しているのかもしれないので、皆さんトゲにはくれぐれも注意してください!

長く鋭い葉先のトゲはまさに凶器級。ケガを防ぐため、写真のようにワインのコルクを被せる愛好家も多いそうです。

Shabomaniac!さん、dog.keeperさんの対談
第6回はこちら
第8回はこちら

【書誌情報】
『AGAVES アガベ』
著者:ジェレミー・スパス、ジェフ・ムーア
日本語版監修:Shabomaniac!
日本語版翻訳:dog.keeper


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世界的な名著『AGAVES』待望の日本語完訳版。全980点の写真と最新の分類・栽培法、自生地や文化的背景まで徹底解説。初心者からコレクターまで、一生モノの「アガベのバイブル」となる決定版です。

【日本語版監修者紹介】
Shabomaniac!

園芸家。サボテンや多肉植物の育成・研究を行い、「Habitat Style」を提唱。育成記録や自生地の旅をSNSで発信し、『Agave Complete アガベ 原種・名品図鑑』はじめ、多数の植物関連書籍を執筆。
ブログ:http://shabomaniac.blog13.fc2.com
Instagram:@shabomaniac

【日本語版翻訳者紹介】
dog.keeper

植物愛好家で進化生物学の研究にも取り組む。アガベやシダ植物などの魅力を、科学的な視点からSNSや執筆を通じて伝えている。
ブログ:https://note.com/dog_keeper
Instagram:@dog.keeper/

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