アガベの次に注目したい「着生植物」!壁面を彩るビカクシダとアリ植物|『AGAVES アガベ』監修者×翻訳者対談

空前のアガベブームが続く中、植物を知り尽くしたプロたちの視線はすでに「次なる珍奇植物」へと向けられている。決定版図鑑『AGAVES アガベ』特別対談の連載第8回は、対談形式から少し趣向を変え、お二人が密かに注目しているという「ビカクシダ」と「アリ植物」の魅力についてお伝えします。

アガベの次にくるトレンドは「壁」

「もしアガベの次に注目すべき植物を挙げるとしたら?」という問いに対し、Shabomaniac!氏が真っ先に挙げたのは「着生植物」、なかでも「アリ植物」が面白いと感じているそうです。

着生植物とは、地面に根を張るのではなく、樹木の幹や岩肌などに張り付いて育つ植物のこと。近年、愛好家の間で大人気となっている「ビカクシダ」がその代表格。

「鉢植えを並べると室内のスペースはすぐに埋まってしまいますが、部屋の『壁面』は空いていますよね。最近は高性能なLEDライトを使って、壁面に植物を飾る楽しみ方が新しくて有望です」

アリと共生する驚愕の生態「アリ植物」

さらに一歩踏み込んだマニアックなジャンルとして名前が挙がったのが「アリ植物」。これは文字通り、自然界でアリと共生する生き方を選んだ植物の総称です。

自らの体内にアリを住まわせ、アリが運んでくる獲物やフンを肥料として吸収して育つという、驚くべき生態を持っています。シダ植物やアカネ科のいわゆる「アリ玉」と呼ばれるものなど、系統は全く異なっても「アリと共生して着生する」という同じ生き方を選択した植物です。

もちろん、室内で育てる場合はアリがいなくても栽培可能で、その不思議な造形からインテリアプランツとしての鑑賞価値も非常に高いといいます。

ご自身もビカクシダを育てているdog.keeper氏も、その特殊な生態についてこう語ります。

「東南アジアに自生するビカクシダの『リドレイ』という種類は、自然界では高い木の上に着生していて、実際にアリを住まわせているんです。樹上では、強い日差しと風通しの良さという恩恵を得られる一方で、必要な栄養素を得るのは容易ではありません。そのため、アリを迎え入れる仕組みを取り入れたんでしょうね。だから室内で育てると虫がつきやすい一面もありますが、こうした共生の仕組みを進化させてきたことを知ると、着生植物として非常に興味深い植物だと感じます」。

サボテンも着生する?

着生植物の範囲は実はとても広いのです。例えばサボテンの仲間「マミラリア」なども、時として乾燥した木の幹や屋根の上などに着生します。日本でも稀に民家の屋根に「野良多肉」が自生していることもあります。

過酷な乾燥地帯を生き抜くアガベとはまた違う、空間を立体的に生きる「着生植物」。インテリア性の高さに加え、植物の驚異的な適応能力も感じられるこのジャンルは、次なるボタニカルトレンドを牽引していくことでしょう。


Shabomaniac!さん、dog.keeperさんの対談
第7回はこちら
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【書誌情報】
『AGAVES アガベ』
著者:ジェレミー・スパス、ジェフ・ムーア
日本語版監修:Shabomaniac!
日本語版翻訳:dog.keeper


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【日本語版監修者紹介】
Shabomaniac!

園芸家。サボテンや多肉植物の育成・研究を行い、「Habitat Style」を提唱。育成記録や自生地の旅をSNSで発信し、『Agave Complete アガベ 原種・名品図鑑』はじめ、多数の植物関連書籍を執筆。
ブログ:http://shabomaniac.blog13.fc2.com
Instagram:@shabomaniac

【日本語版翻訳者紹介】
dog.keeper

植物愛好家で進化生物学の研究にも取り組む。アガベやシダ植物などの魅力を、科学的な視点からSNSや執筆を通じて伝えている。
ブログ:https://note.com/dog_keeper
Instagram:@dog.keeper/

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