『生のマグロが一番』と江戸前寿司をバカにする客…新米職人が“意外な秘伝タレ”で黙らせた渾身の握りとは?|漫画「江戸前の旬」

「わざわざ手を加える必要なんてない」江戸前寿司を否定する客

東京・銀座の名店「柳寿司」。三代目の若き職人・旬(しゅん)のもとに、ある日連れて来られた客・遠藤は、開口一番こう言い放ちます。

「今の時代、物流や冷凍技術が発達している。生の魚をそのまま食べた方が旨いのに、下手に手を加えて素材の持ち味を殺す必要はない」。

彼にとって、江戸前寿司の伝統技術である「ヅケ」などは、古い時代の気休めに過ぎないというのです。

新米職人がまさかの大失敗!秘伝のタレを失う絶体絶命のピンチ

そんな客を見返したい旬でしたが、なんと自分の不注意で、ヅケ作りに欠かせない「煮切り醤油」にカビを生えさせてしまう大失態を犯してしまいます。定期的な火入れ(加熱処理)を忘れていたのです。

ヅケを提供できず、遠藤に店を去られてしまいます。自分のミスで店の信用と江戸前寿司の誇りを傷つけられた旬は、何としても本物のヅケを作って彼を見返そうと立ち上がります。

ひらめいたのは…なんと「蕎麦屋の技術」!?

しかし、一から醤油を仕込んでも深みのある旨味は出ません。焦る旬が目をつけたのは、天ぷらや蕎麦といった「他の江戸前料理」でした。

旬は、銀座の名店と言われる蕎麦屋「慈照庵」を訪ね、秘伝の「本返し(醤油・砂糖・みりんを合わせて寝かせたタレ)」を分けてもらうことに成功します。カツオ節の風味とまろやかな醤油味が効いた「本返し」を使った特製ヅケタレを開発したのです。

会社まで届けられた一皿…客の反応は?

旬は出来上がったヅケ寿司を携え、遠藤の働く会社へ直接出向きます。「この前は失礼しました。ぜひ食べてみてください」と出されたマグロのヅケを一口食べた遠藤は、そのまろやかな旨味とマグロ本来の酸味の絶妙な調和に言葉を失います。

鮮度だけに頼らない「職人の工夫と技術」の凄みを思い知らされた遠藤。単なる生の刺身では味わえない、江戸前寿司の真価が証明された瞬間でした。

◉『江戸前の旬』次回へ続く

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【書誌情報】
『江戸前の旬』
原作/九十九森
作画/さとう輝

銀座『柳寿司』三代目・柳葉旬。柳寿司の末っ子として生まれ、父親の跡を継ぐために寿司職人となって迎えた二度目の春――。寿司職人として大輪の花を咲かすべく、ただ今奮闘中!! 真鯛をけなす息子、真鯛に特別な思いを持つ老母。旬の真鯛の握りは息子の誤解を解くことができるのか⁉

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