プラセボ効果にイメトレ…寝不足の日でも実践できる、筋トレの質を落とさない日常習慣4つ

\睡眠不足でも、筋トレの質を維持する方法がある/

神経を活性化してリカバリーを高める習慣

1 プラセボ効果を利用する

 2020年にイギリスのチャーチ大学から、スポーツ効果に対するプラセボ効果およびノセボ効果(否定的な思い込み※)についてのレビュー論文が発表されました。要は〝思い込み〟ですが、カフェインを摂取したと信じ込むだけでサイクリングの出力が最大3.5%向上し、電気刺激療法を行っていると信じ込むだけで指の筋力が14.4%も向上しました。

 反対に、偽のサプリメントが有害であると伝えられるとスプリントの速度が1.7%低下したというデータもあり、想像以上に思い込みの力というのは強いことがわかります。

2 イメージトレーニングで脳領域を活性化する

 フランスのブルゴーニュフランシュコンテ大学が2018年に発表したデータでは、運動前にこれから行う運動をイメージすることで、その運動を行ったときと同様の脳領域の活性化が見られ、実際の運動パフォーマンスが向上することがわかっています。

 また、2018年にはスロベニアのプリモルスカ大学から過去行われた13のデータによるメタ分析が発表されていて、イメージトレーニングを行うことで自分が持ち上げられると思う最大の負荷である「最大自発的運動」強度の向上も確認されています。

3 マインドマッスルコネクション

 2018年にスペイン、バレンシア大学から、「マインドマッスルコネクション」の効果を調査した研究が発表されました。マインドマッスルコネクションとは、鍛えている筋肉に意識を向け、脳と筋肉のつながりを意識するトレーニング法です。対象者には、まずは何も考えずに行うセット、次に胸の筋肉だけに意識を向けるセット、最後に二の腕の筋肉だけに意識を向けるセットで、中強度の負荷でのベンチプレスを行ってもらいました。

 すると、何も意識しないトレーニングと比べて、胸の筋肉に意識を向けたトレーニングでは大胸筋の活動は6%、腕の筋肉に意識を向けたトレーニングでは、上腕三頭筋の活動は4%向上したのです。

 マインドマッスルコネクションの具体的な方法としては、自分の筋肉に意識を向ける「内部マインドマッスルコネクション」よりも、例えばバーベルを挙げる目標地点や走る場合の足を着く位置、あるいは可能な限り速く動かすなど、自分の外に意識を向けた「外部マインドマッスルコネクション」がおすすめです。外への意識を高め、動作の範囲や目標地点を具体的に目視できるようにしておくことで、神経系の活性化を促進します。

4 音楽を聴く

 ブルネル大学の研究では、120BPM以上の音楽をトレーニング中に流すことで耐久性は15%向上し、運動中の気分も改善され、自覚的運動強度が低下したというデータが出ているほか、その他の研究でもテンポが早い音楽を聴くことで気分が向上し、神経疲労を感じにくくなることが明らかになっています。


【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男

【著者紹介】
論文男(ろんぶんおとこ)
理学療法士。パーソナルトレーナー。現役理学療法士として、小児・スポーツ選手・高齢者のリハビリに従事する傍ら、13年以上の指導経験を生かし、科学的データに基づいたエビデンスレベルの高いトレーニング方法を発信。年間500本以上の論文を読み漁り、最新研究を現場で実践に落とし込む。YouTube 『論文で解決 〜筋肉と栄養を科学する』は登録者23万人以上。3児の父として、忙しいワーカー向けに最短で理想のボディを作るメソッドも開発。筋トレ・栄養・リカバリーを科学的に体系化した指導に定評がある。

【書誌情報】
『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』
著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男


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