性格は言葉ではなく行動で示す!読者が感情移入する立体的なキャラクターの描き方【賞を勝ち獲る小説の書き方】

\世界観を壊さないためのキャラクターと設定の整合術/

設定を作ったはいいものの、伝わらない。
そんなもったいない話はありません。設定は説明ではなく描写で見せます。
世界のルールや言語を整理し、
読者が自然と納得する物語を作ります。


キャラクターの性格は行動する描写で表す

過去の体験や価値観から導かれた行動こそが、性格を表しているはずです。逆に、性格が定まれば、キャラクターは勝手に動き出します。

POINT

  • 性格は言葉ではなく行動で示す
  • 「人物の積み重ねてきた行動とその基準=性格」である

このキャラだからこそ起きた行動に見えるか意識

 優しい、冷たい、臆病といった形容詞が並んでいても、行動に理由がなければ人物は設定だけの記号に見えてしまいます。性格とは、選択や反応といった行動で示されるものです。

 性格を言葉で説明して満足せず、行動の理由として示すようにしてください。「優しい」と書くより、「誰かが困っていると無視できない行動」をひとつ描くほうが、人物像は明確に伝わります。さらに、その行動が過去の体験や価値観から導かれているものであれば、読者は自然に納得します。

 編集者が見ているのは、この行動がこの人物だからこそ起きたといえるかどうかです。人物の積み重ねてきた行動とその基準=性格が明確であれば、選択の葛藤や変化も自然に生まれ、読者の感情移入が強まります。設定と行動が1本の線でつながったとき、キャラクターは物語を支える存在になります。

象徴的な出来事を起こしてキャラの性格を印象づける

 キャラクターを物語で育てるには、とにかく行動させるしかありません。それも読者が感情移入できる象徴的な出来事を起こし、書き手が意図する性格を明確に伝える必要があります。

 たとえば、悪役に捕らわれた7人のうち、命を落とす危険な賭けに誰かが出なければならないとします。リーダー役の大男は恐怖のあまり動けません。一方、存在感の薄い寡黙な少年が仲間を庇うため賭けに立候補します。当然、読者は自己犠牲を厭わない少年への感情移入が高まります。対してリーダー役の大男には愛想をつかすでしょう。ここでのポイントは2つ。誰も期待しなかった少年が勇気ある決断を示したことと、両者のイメージが一瞬で覆ったことです。

 こうした極端かつ象徴的な出来事がキャラクターのポジションと読者の印象を決め、ストーリーに欠かせない存在として成長していきます

「なぜ行動したのか?」を表すエピソードがあればさらに読者は納得する

 【出典】『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ

【著者紹介】
秀島迅
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞(KADOKAWA)から選出され、『さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝などの執筆も行なっている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカの篇』二作同時発売(講談社)、語彙力図鑑シリーズなど著書多数。また、コピーライターや映像作家としての顔も持ち、企業CM制作を現在も月10本以上手がけている。

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【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ


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