「仲がいい・悪い」でキャラを作ると落ちる!?編集者が見ている“関係性の設計” ――賞を勝ち獲る小説の書き方vol.9

出典:新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』より

はじめに(リード文)

小説家、ラノベ作家、シナリオライターなどになるべく、日々創作活動に打ち込むクリエイターたち。その夢の登竜門として、さまざまな出版社や小説投稿サイトで開催されるコンテストでの受賞を目指している方も多いのではないでしょうか。しかし、最終審査まで残り、その上受賞する作品は一握り。そうなると「面白い作品なのに、選考が通らない!」という悩みもおのずと出てくると思います。その悩みの突破口となるのは “編集目線”。

日本文芸社人気シリーズの最新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』では、その“編集目線”を小説の書き方に取り入れた一冊。今まで何千何万もの作品に目を通してきた小説投稿サイト『Nola』の編集者たちとプロの小説家である秀島迅氏がタッグを組み、読み手と書き手の二つの視点から、普段は明かさない小説を書くために絶対必要なスキルやポイントを徹底解説。

本記事は、書籍の本文の一部をWeb記事用にアレンジして紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください!

関係性は「目的のズレ」で作る

人物同士の関係を“仲がいい・悪い”で決めてしまうと、物語は表面的になります。

目的が同じでも、手段や優先順位が異なれば、関係は自然と緊張を帯び、読者を引き込むドラマが生まれます。

関係が弱い作品では、人物同士がただ会話しているだけで、物語に摩擦が生まれません。
一方で、目的が少しでもズレていれば、選択や判断の場面で自然な衝突が起きます。

同じ敵を追う2人でも、「復讐したい人」と「正義を守りたい人」では、目的のニュアンスが異なります。
仲間同士で利害が完全に一致することはまれであり、わずかなズレが行動の食い違いを生み、衝突の場面で必然的な対立が発生するのです。

逆に敵対関係であっても、目的の一部が重なれば一時的な協力が生まれるなど、物語の推進力になり得ます。
とはいえ、関係性を深く描こうとしすぎる必要はありません。目的のズレが機能していれば、関係は十分に物語を支えます。

相容れない異質な両者を組み合わせ、あえて目的のズレを作る

的のズレで物語にスリリングな展開をもたらす手法は、演出設定上のオーソドックスなバリエーションのひとつです。

多くはバディものなどで活用され、微妙な関係のうえで構築されていく友情や絆がメインテーマとなります。

ただし、ただ2人の目的がズレているだけでは面白味に欠けます。
読者を魅了するには、わかりやすい対立構図を設定に付加する必要があります。

たとえば、天才肌と秀才肌、刑事と犯罪者、行動派と頭脳派というように、本来なら相容れない異質な両者を組み合わせつつ、価値観や倫理観の違いから「目的のズレ」を発生させます。

こうすれば協力と対立が交錯する不思議な関係性に説得力が生まれて、ストーリーの基軸が定まります。
さらにキャラ像の対比が面白く描けるというメリットもあります。

編集者は「目的のズレや摩擦が物語を動かしているか」を見ている

書く前に「この人物たちは何を目指し、どこですれ違うのか」を整理してみましょう。

目的とその手段や優先順位を設定することで、関係性に自然な緊張が生まれます。

編集者が見ているのは、この関係に“摩擦”があるかどうかです。
ただ仲がいい、ただ対立しているだけではなく、目的のズレによって行動が食い違い、物語を動かす力になっているかが重要になります。

衝突や対立が構造として機能していれば、キャラクター同士の関係は自然とドラマを生み出します。
逆に、関係に摩擦がなければ、どれだけ会話があっても物語は動きません。

人物同士の関係は、感情で作るものではなく、構造で作るものです。目的のズレが行動を生み、その行動が関係を動かす。
この流れが成立したとき、ストーリーは一気に面白くなります。

今回紹介した本書の参考ページ

今回の記事は、以下の本文ページから抜粋してご紹介しました。
本書は、見開きでとても分かりやすい、構成になっています。

日本文芸社のクリエイターシリーズ最新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』

読み手と書き手のプロたちがタッグを組んで、賞を勝ち獲るための小説の書き方本。

ライトノベル編集のプロが普段は絶対に明かさない、コンテストで常にチェックしている絶対必要なポイントを徹底解説。編集者のポイントを再現する文章の書き手は、クリエイターシリーズすべての著者を務めるプロの小説家、秀島迅氏。

本書は、物語・シナリオを書くための構想の仕方を教えるだけでなく、編集者が「あっ」と驚く文章構成や、プロなら絶対に押さえておきたい書き方の基本メソッドに加え、つい書き手がやってしまうNG例も実際に例文を読みながら学べます。

小説の面白さには自信があるけど、なぜだか賞は獲れない……という人に向けて、一段階上の技術を習得できる超実用的な内容。ぜひ、Amazonでチェックしてみてください!

https://www.amazon.co.jp/dp/4537223758

【著者紹介】
秀島 迅(ひでしま じん)
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞 (KADOKAWA)から選出され、さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家 として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝 などの執筆も行っている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカ の篇』二作同時発売(講談社)、『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 上級編』(日本文芸社) などがある。また、コピーライターや映像作家としての顔を持ち、企業CM制作のシナ リオライティングなど、現在も月10本以上手掛けている。

Nola編集部(のらへんしゅうぶ)
創作プラットフォーム「Nola」を運営する編集チーム。日々多数の投稿原稿を審査・講評し、企画立案やコンテスト運営を通じて新人作家の育成に携わる。構成・文体・読者設計の観点から作品を分析し、読者に届く物語づくりを実践的に支援している。本書では、現場で培った編集視点をもとに、小説執筆における具体的な改善ポイントを監修。

日本文芸社のクリエイターシリーズ

小説家、ラノベ作家、漫画家、シナリオライター、脚本家、SNS投稿…etc
読むだけで、頭ひとつ抜ける!作品のクオリティが格段にあがる!

普段プロの小説家が秘密にしている実践的な経験をもとにした創作セオリーがつまった、すべてのクリエイターに役立つ書籍シリーズ!!
「語彙」テクニックだけでなく、中世ヨーロッパの文化、シナリオに必要な「人物・性格」「能力」「場面」「職業」設定、などなど即戦力となるノウハウをあますところなく解説!

https://sp.nihonbungeisha.co.jp/series/creators

【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
秀島 迅 (著), Nola編集部 (監修)


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数多くの出版社とのコンテストを開催し、多くの作品を世に生み出してきました。

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コンテストで常にチェックしている絶対必要なポイントを徹底解説します。
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そんな編集者のポイントを再現する文章の書き手は、
クリエイターシリーズすべての著者を務めるプロの小説家、秀島迅氏。
編集者が「あっ」と驚く文章構成や、プロなら絶対に押さえておきたい書き方の基本メソッドに加え、
つい書き手がやってしまうNG例も実際に例文を読みながら学べます。

そのほか、本書は物語・シナリオを書くための構想の仕方を教えるだけでなく、
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