初稿で完成を目指さない。“リライト”こそ、最大の工程 ――賞を勝ち獲る小説の書き方vol.11

出典:新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』より

はじめに(リード文)

小説家、ラノベ作家、シナリオライターなどになるべく、日々創作活動に打ち込むクリエイターたち。その夢の登竜門として、さまざまな出版社や小説投稿サイトで開催されるコンテストでの受賞を目指している方も多いのではないでしょうか。しかし、最終審査まで残り、その上受賞する作品は一握り。そうなると「面白い作品なのに、選考が通らない!」という悩みもおのずと出てくると思います。その悩みの突破口となるのは “編集目線”。

日本文芸社人気シリーズの最新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』では、その“編集目線”を小説の書き方に取り入れた一冊。今まで何千何万もの作品に目を通してきた小説投稿サイト『Nola』の編集者たちとプロの小説家である秀島迅氏がタッグを組み、読み手と書き手の二つの視点から、普段は明かさない小説を書くために絶対必要なスキルやポイントを徹底解説。

本記事は、書籍の本文の一部をWeb記事用にアレンジして紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください!

初稿は“完成”ではなく「素材」として扱う

初稿の完成度は50パーセント程度という認識が大切です。

「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、プロの小説家でもこの数値は大きく変わりません。

どれだけ緻密なプロットを事前に構築しても、実際に書きはじめると舞台設定やキャラクターの性格が途中で変わってしまうことは珍しくありません。
あるいは真犯人がまったく別人に変わることもあります。初稿はそれでいいのです。

こうしたハプニング的なひらめきから奇想天外な展開が生まれ、大どんでん返しや強い感動につながる可能性があるからです。
初稿は完成ではなく、あくまで“素材”として扱うべきものです。

書き上げた直後は全体が見えず、粗さが残るものです。この前提を持てるかどうかで、その後の仕上がりは大きく変わります。

編集者は「書き切った後の再設計」の姿勢を見ている

第2稿以降では、全面的に矛盾点や相違点を書き直す、いわば大手術に入ります。

物語を俯瞰し、精度を高めていく作業こそが本番です。
リライトの要は、“何を残し、何を削るか”を冷静に判断することです。

章の順序、場面の配置、セリフの温度、テーマの通り道──初稿では見えなかった欠点が、全体を俯瞰することで浮かび上がります。

書き手にとっては、苦労して書いた部分ほど残したくなるものですが、内容の重複や必要性に欠ける描写は、読者の没入感を損ない、テーマやメッセージを弱めます。

編集者は、この取捨選択の精度も創作力の一部として見ています。
書き切ったあとにどれだけ冷静に再設計できるかが、作品の完成度を大きく左右します。

構成を強くする鍵は「減らす勇気」

削除と統合、順序変更は第2稿以降で極めて重要な推敲プロセスです。

多くの書き手が不得手なのは“削除”ですが、ここにこそ完成度を高める鍵があります。

応募条件の制限枚数をそのまま埋める必要はありません。
原稿用紙500枚以内と設定されている場合でも、最大枚数まで書くことが正解ではありません。
審査する側は「本当にそこまで必要か」という視点で読み進めます。

むしろ制限枚数の8割程度まで削り、筋肉質な原稿に仕上げるほうが効果的です。
意図のない場面が混じるほど物語の焦点はぼやけ、読者の集中も途切れてしまいます。

同じ役割を持つ場面は統合し、弱い場面は順序を入れ替えて効果を高める。
目的、衝突、変化といった物語の芯がもっとも強く伝わる配置に再編することで、理解度と感情の流れが改善されます。

構成を再編する作業は、物語の骨格を磨く最終工程です。
セリフや場面の存在理由を点検し、芯を意識して再編を重ねることで、作品の輪郭はより鮮明になります。

今回紹介した本書の参考ページ

今回の記事は、以下の本文ページから抜粋してご紹介しました。
本書は、見開きでとても分かりやすい、構成になっています。

日本文芸社のクリエイターシリーズ最新刊『プロの編集者&小説家が教えるクリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』

読み手と書き手のプロたちがタッグを組んで、賞を勝ち獲るための小説の書き方本。

ライトノベル編集のプロが普段は絶対に明かさない、コンテストで常にチェックしている絶対必要なポイントを徹底解説。編集者のポイントを再現する文章の書き手は、クリエイターシリーズすべての著者を務めるプロの小説家、秀島迅氏。

本書は、物語・シナリオを書くための構想の仕方を教えるだけでなく、編集者が「あっ」と驚く文章構成や、プロなら絶対に押さえておきたい書き方の基本メソッドに加え、つい書き手がやってしまうNG例も実際に例文を読みながら学べます。

小説の面白さには自信があるけど、なぜだか賞は獲れない……という人に向けて、一段階上の技術を習得できる超実用的な内容。ぜひ、Amazonでチェックしてみてください!

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【著者紹介】
秀島 迅(ひでしま じん)
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞 (KADOKAWA)から選出され、さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家 として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝 などの執筆も行っている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカ の篇』二作同時発売(講談社)、『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 上級編』(日本文芸社) などがある。また、コピーライターや映像作家としての顔を持ち、企業CM制作のシナ リオライティングなど、現在も月10本以上手掛けている。

Nola編集部(のらへんしゅうぶ)
創作プラットフォーム「Nola」を運営する編集チーム。日々多数の投稿原稿を審査・講評し、企画立案やコンテスト運営を通じて新人作家の育成に携わる。構成・文体・読者設計の観点から作品を分析し、読者に届く物語づくりを実践的に支援している。本書では、現場で培った編集視点をもとに、小説執筆における具体的な改善ポイントを監修。

日本文芸社のクリエイターシリーズ

小説家、ラノベ作家、漫画家、シナリオライター、脚本家、SNS投稿…etc
読むだけで、頭ひとつ抜ける!作品のクオリティが格段にあがる!

普段プロの小説家が秘密にしている実践的な経験をもとにした創作セオリーがつまった、すべてのクリエイターに役立つ書籍シリーズ!!
「語彙」テクニックだけでなく、中世ヨーロッパの文化、シナリオに必要な「人物・性格」「能力」「場面」「職業」設定、などなど即戦力となるノウハウをあますところなく解説!

https://sp.nihonbungeisha.co.jp/series/creators

【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
秀島 迅 (著), Nola編集部 (監修)


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読み手と書き手のプロたちがタッグを組んで
賞を勝ち獲るための小説の書き方を教えます!

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数多くの出版社とのコンテストを開催し、多くの作品を世に生み出してきました。

本書では、そんなライトノベル編集のプロが普段は絶対に明かさない、
コンテストで常にチェックしている絶対必要なポイントを徹底解説します。
どうしても文章を書く際は、自分の書きたいことが飽和して読みづらくなりがちですが、
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そんな編集者のポイントを再現する文章の書き手は、
クリエイターシリーズすべての著者を務めるプロの小説家、秀島迅氏。
編集者が「あっ」と驚く文章構成や、プロなら絶対に押さえておきたい書き方の基本メソッドに加え、
つい書き手がやってしまうNG例も実際に例文を読みながら学べます。

そのほか、本書は物語・シナリオを書くための構想の仕方を教えるだけでなく、
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小説の面白さには自信があるけど、なぜだか賞は獲れない……という人に向けて、
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