日本の飛行機は「愛知」が支えている!?機体部品の約6割を生産する産業パワーの背景とは

\まさに日本の中心だ!愛知県の社会と経済/

航空宇宙産業の一大拠点・愛知

「作る技術」は空から宇宙へ

 愛知県の産業といえば、自動車を思い浮かべる人が多いと思います。実際、自動車関連の企業は多く存在しますが、一方で航空宇宙産業の分野においても国内有数の拠点となっていることは意外と知られていません。県内には航空機やロケットに関わる大手企業や研究機関、大学などが集中しており、日本の航空宇宙産業を支える重要な役割を担っているのです。

 愛知県を中心とした東海エリアが航空宇宙産業の一大集積地となった背景のひとつには、第二次世界大戦以前から続く航空機産業のノウハウの蓄積があります。さらに戦中の戦闘機開発や戦後の航空機産業再編を経て、自動車産業と並ぶ形で発展していきました。精密加工や品質管理といった高度な製造技術が航空機やエンジン、さらには宇宙関連機器の開発、製造などにも生かされているのです。

 実際に東海エリアは、航空機や部品の生産で国内の約3割、機体部品に限れば約6割を占めており、日本の航空宇宙産業における中心地となっています。

 現在ではロケットや人工衛星といった宇宙分野にも進出し、「作る技術」は空から宇宙へとそのフィールドを拡大中。長年培われてきたものづくりの力を新たな領域へと展開していく姿は、常に次を見据えて挑戦を続ける愛知の産業の象徴といえるでしょう。

愛知を中心に広がりを見せる航空宇宙産業

名称主な事業内容
①三菱重工業株式会社名古屋誘導推進システム製作所地区ロケットエンジン、ロケット・衛星姿勢制御装置製造など
②県営名古屋空港周辺地区JAXA 名古屋空港飛行研究拠点、産学行政連携推進コーナーなど
③川崎重工業株式会社 名古屋第一工場地区ボーイング 787 前部胴体組立、ボーイング 777・777X 胴体パネル組立など
④川崎重工業株式会社 名古屋第二工場地区ボーイング 767 胴体パネル組立
⑤三菱重工業株式会社 飛島工場地区H3 ロケット組立など
⑥三菱重工業株式会社 大江工場周辺地区ボーイング767・777・787 部品製造、787 主翼組立等航空機部品製造など
⑦名古屋大学地区大学院工学研究科航空宇宙工学専攻、JAXA との連携講座、ナショナルコンポジットセンター、フライト総合工学教育研究センター
⑧株式会社SUBARU 半田・半田西工場地区ボーイング 777・787・777X 中央翼組立など

アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区推進協議会パンフレットより抜粋

愛知県を中心とする中部地域は、日本における航空機・部品の約3割、航空機の機体部品のみでは約6割の生産を占めている。国内随一の航空宇宙産業の拠点といっても差し支えないだろう。

中部経済産業局「2024年管内生産動態統計集計結果」より引用

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 愛知の話』監修:宮本佳範

【監修者紹介】
宮本 佳範(みやもと・よしのり)
愛知県生まれ。名古屋市立大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(人間文化)。愛知東邦大学経営学部教授。一人旅が好きで、回り道をしつつ観光の研究者になる。専門は観光社会学。持続可能な観光マネジメントの在り方に関心を持ち、観光地で起きている様々な問題について研究。また、“観光は地域のPRメディア”という視点にたち、学生と地元愛知・東海の歴史や文化、自然、産業の魅力を深堀りするツアーの企画にも取り組んでいる。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 愛知の話』
監修:宮本佳範


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