昔は富士山にスキー場がいっぱいあった!? 温暖化で激変した「富士山スキー」の歴史【眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話】

富士山は日本で初めてスキーが行われた場所

日本でスキー文化が花開いた場所

 1911年、オーストリア人のレルヒ少佐がスキーを伝えたことから、新潟県は「スキー発祥の地」として知られています。

 しかしじつは、その前年の1910年に、オーストリア人のエゴン・フォン・クラッセルによって、日本で初めてのスキー滑降が富士山で行われていました。場所は御殿場ルートの五合目付近で、現在も「日本初スキーの地」と記された記念碑が建てられています。

 その後、大正から昭和にかけてスキー文化は日本各地に広がっていきました。当時の富士山には複数のスキー場があり、御殿場ルート五合目付近の太郎坊スキー場や、吉田ルート二合目の吉田スキー場などは、東京から近いこともあって多くの人でにぎわいました。

 しかし、地球温暖化の影響で富士山の下部には雪が積もりにくくなり、さらに新潟や長野のスキー場でリフト等の整備が進んでいったことなどから、富士山のスキー場は次第にその数を減らしていきました。

 そんななかでも、1972年に富士山二合目に開業した日本ランドスキー場は、現在「スノーパーク イエティ」として営業中。富士山は、長野や新潟のスキー場と比べて降雪量が少ないため、人工降雪機が導入されています。

富士山のスキーの歴史

【1910年(明治43年)12月27日】
オーストリア人のエゴン・フォン・クラッセルが富士山、御殿場口太郎坊付近で、日本で初めてスキーを行った。
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【1911年】
日本にスキーを伝え「日本スキーの父」と呼ばれるテオドール・フォン・レルヒ少佐が富士山頂からのスキー滑降に成功。
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【昭和初期〜】
吉田口登山道2合目に吉田口スキー場、御殿場口2合目に太郎坊スキー場が開設。その他複数スキー場があった。
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【1966年】
冒険家の三浦雄一郎氏がパラシュートをブレーキにしながら富士山頂からスキー直滑降を行った。最高時速160km以上を記録したとされる。
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【1971年】
静岡県裾野市に日本ランドスキー場が開業。
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【1990年】
度重なる雪崩被害や雪が積もらない年もあったことから御殿場市営スキー場が閉鎖。ほかのスキー場もこれまでに閉鎖している。
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【1999年】
日本ランドスキー場が「スノータウン Yeti」に名称を変更(現・スノーパーク イエティ)。人工降雪機の導入により、日本の屋外ゲレンデでは日本一オープンの早いスキー場となった。

徐々に薄れた「富士山=スキー」のイメージ

昭和初期〜1990年代頃までは富士山がスキー場の中心地だったものの、地球温暖化により富士山の下部には雪が積もりにくくなり、さらに新潟や長野のスキー場でリフト等の整備が進んでいったことなどから、「富士山=スキー」のイメージは徐々に薄れていきました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話』監修:富士学会

【監修者情報】
富士学会
富士山と、その関連地域を対象として、自然科学から芸術、歴史、宗教の人文科学までを広く網羅し、富士山にちなんだ教育や、噴火を想定した防災など、総合的な領域の研究を進めている。富士山の本質と全体像の探求、関連地域の環境保全、防災、活性化などを目的として、学術大会・討論会・講習会などの開催、会誌・図書などの出版、関連教育・文化活動への協力と支援などをおこなっている。事務局は東京の日本大学文理学部地理学教室に置かれている。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 富士山の話』
監修:富士学会


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監修/富士学会
富士山と、その関連地域を対象として、自然科学から芸術、歴史、宗教の人文科学までを広く網羅し、富士山にちなんだ教育や、噴火を想定した防災など、総合的な領域の研究を進めている。富士山の本質と全体像の探求、関連地域の環境保全、防災、活性化などを目的として、学術大会・討論会・講習会などの開催、会誌・図書などの出版、関連教育・文化活動への協力と支援などをおこなっている。事務局は東京の日本大学文理学部地理学教室に置かれている。

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