iDeCoを始めるなら商品ラインナップと手数料をチェックして証券会社や銀行を選ぶべき理由とは！？【ほったらかしで3000万円貯める！お金と投資の超入門】

積み立て投資は証券会社や銀行選びがすべて

ここまで読んでくださった読者の皆さんは長期・分散の積み立て投資と、ｉＤｅＣｏ、つみたてＮＩＳＡといった有利な制度の基礎知識はマスターできたはず。あとは、とにかく実践あるのみ！　ですね。ｉＤｅＣｏやつみたてＮＩＳＡは、ほったらかしが最適かもしれない〝ズボラさん〞向け投資ですから、大事なのはそれが可能な証券会社や銀行を選ぶことです。さっそく口座を開設して、積み立て投資を始めましょう。

●ｉＤｅＣｏは商品ラインナップと手数料をチェック
証券会社や銀行選びの第一のポイントは、投資したい投資信託を扱っているかどうかです。ｉＤｅＣｏでは２０２３年末までに、一つの証券会社や銀行が扱う商品は、上限が35本になります。大手だからといって無限の選択肢があるわけではありません。たくさんの商品を取り扱っていた証券会社や銀行は、今は絞り込みの最中です。

しかも、つみたてＮＩＳＡのように対象商品が指定されているわけではなく、証券会社や銀行が自由に選んでいるので、ラインナップはそれぞれの金融機関の独自性が強くなる傾向にあります。第二のポイントは、口座管理手数料です。このコストは証券会社や銀行、生保によって異なり、無料のところから年間数千円のところまであります。このコストは60歳あるいは65歳まで払い続けることになるので安いに越したことはありません。

ｉＤｅＣｏを扱っている証券会社や銀行、生保の一覧は、ｉＤｅＣｏ公式サイト（https://www.ideco-koushiki.jp）で確認できます。公式サイトはコスト比較もできて便利です。ぜひ確認しておきましょう。具体的な商品選びについては第５章以降で解説していますが、決めきれないという人は、大手ネット証券のどこかにしておけば、大きな失敗はありません。特に、ＳＢＩ証券、楽天証券、マネックス証券の大手３社は長い間、競争関係にあるので、どこかがサービスを改善すれば他社も追随し、結局、ビギナーの投資家にとってはサービス面に大きな差はなくなっています。

３社に比べると規模はやや劣りますが、ネット証券の松井証券も候補です。４社とも取扱い商品が充実し、口座管理手数料も無料です。ｉＤｅＣｏは取扱い商品数に上限があるため各社とも選択肢は多くはありませんが、４社とも主要な資産クラスに投資するインデックスファンド（株価指数などの指標に連動した運用をめざす投資信託）はそろっています。第５章で紹介する、低コスト・インデックスファンド・シリーズの扱いが最も充実しているのは松井証券です。なお、１本で分散投資ができるバランス型投信について、楽天証券はシンプルな４資産均等や８資産均等のインデックスファンドの取り扱いがありません。シンプルなバランス型投信で投資したい人は、松井証券、ＳＢＩ証券とマネックス証券がよさそうです。

【出典】『ほったらかしで3000万円貯める！ お金と投資の超入門』
監修：坂本綾子/ファイナンシャルプランナー（日本FP 協会認定CFP Ⓡ） 日本文芸社刊

監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム（良質な金融商品を育てる会）の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください！』（SB クリエイティブ）、『まだ間に合う！ 50 歳からのお金の基本』（エムディエヌコーポレーション）、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』（朝日新聞出版）などがある。