目指すべきはパンチショットの延長!「圧」をかけて飛距離を伸ばすコッキング開放の極意【「圧力系」インパクトの作り方/阿河徹】

コッキングの解放こそが飛距離をアップさせる近道となる理由
目指すべきスイングはパンチショットの延長型
圧力系のスイングがどんなものか、いまひとつイメージできない人も多いと思いますので、ここでひとつ私の体験談を披露しましょう。お客さんとラウンドしているときのことです。
あるパー4のホールで、私の打ったティーショットが右にフケて林に打ち込んでしまったんですね。でも左ドッグレッグだったんでグリーンを狙える状況だったんですよ。ピンまでは140ヤードぐらいでしたから、7番アイアンか8番アイアンでパンチショットをしたんですね。ボールを右に置いて、コンパクトなバックスイングからパチン! とヒットしたら低く飛び出たボールは木と木の間を抜けて、途中のフェアウェイでバウンドした後、コロコロ転がってグリーンオンしたんです。
そうしたらお客さんが目を丸くして「何それ!!」って興奮しているんですよ。自分にしたらごく普通のことなんですけど、そのお客さんはもの凄く感動してくれて「そんなの反則だよ! その裏ワザ何なの!!」って盛り上がっているわけです。それまでにもけっこういいドライバーショットを放ったりはしていたのですが、それにはまったく感動せず、そのパンチショットにだけ反応したのでよく覚えているんです。
特殊なショットを打ったわけでもないし正直恥ずかしかったんですが、そのお客さんの引き出しにはそのショットがなかったということなんですよね。自分たちにとっては当たり前の打ち方でも、一般のアマチュアゴルファーには当たり前でないことが理解できたし、パンチショットができないからゴルフが難しくなってしまうことを再確認した瞬間でした。
つまり多くのアマチュアゴルファーにとって、ゴルフスイングは手首を固定してクラブで円弧を描く動作なんですね。そういう人たちにとってみれば、アプローチのような振り幅で、フィニッシュもとらずに140ヤードも飛ばすのは魔法のように思えるんですね。
コッキングを開放することでクラブヘッドを加速しているだけなんですが、このメカニズムでボールを打っているアマチュアゴルファーはとても少ないし、逆に言えば、これを覚えるだけで上級者の仲間入りができるということです。
たとえばプロゴルファーや上級者がクラブを持つとソールでマットをトン! と叩く動作を無意識に行うものですが、アマチュアゴルファーはまずやりませんし、コッキングの開放でヘッドを操作したことがないからできないんですね。クラブが上から入らないからマットを擦る音が出ないんです。
その状態でさらに「もっと音を大きく出してください」というと、まず間違いなくバックスイングを大きく振りかぶります。振り幅を大きくして音を大きくしようという作戦に出るわけですが、アーリーリリースを併発しているので音は出ませんし、それどころかマットを擦れないこともあります。
一方、上級者は振り幅は変えず圧を強くすることで音を大きくしますが、ここにゴルフのコツが凝縮されていると言えますし、みなさんが目指してほしいインパクトなんです。 すっとコッキングを作ったら、グリップエンドからボールにアタックして、インパクト直前でコッキングがほどかれてボールをヒットする。この動作を覚えればいいわけです。と言ってもすぐに頭の中が切り替わらない人がいるので、私はデモンストレーション用の5番アイアンを用意しています。カーボンシャフトでロフトが立っている飛び系のアイアンなんですが、これでハーフショット気味に打って見せると、トラックマン(弾道計測器)計測で210ヤードぐらい飛ぶので生徒さんは驚くわけです(実はこのショットはけっこう、圧をかけています)。
「いまので200ヤード超え!?」と目を丸くするのですが、一方アマチュアの人で高校、大学とスポーツをバリバリやっていて、身長も180センチぐらいあるのにアーリーリリース持ちなので、150ヤードしか飛ばなかったりします。ダイナミックに動いて大きなアークで打ったほうが飛ぶんじゃないかと思いながらも、データという現実を突き付けられると、コッキングの開放を使ったほうが飛ぶということが納得できるんです。
●プロゴルファーや上級者の仕草にスイングの本質がある
プロゴルファーや上級者は、左手でクラブを持って地面をシュッと擦るような仕草をするが、この動作には左手でコッキングを行い、それをほどくことでクラブヘッドが、加速するというスイングの本質が隠されている。
●地面を擦れないアマチュアゴルファー
右手主体でクラブを操作したり、スイングにアーリーリリースを含んでいると、地面を上手く擦ることができない。
【出典】『とことん上手くなる! パッティング家練メソッド』著者:松本哲也
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【書誌情報】
『とことん上手くなる! パッティング家練メソッド』
著者:松本哲也
「キープレフト理論」とは、クラブを体の左サイドにキープして振るということ。クラブのグリップエンドからシャフトがもっと長くのびていて、それが体の左サイドにずっとあるように振るイメージだ。ゴルフスイングは一般的に「振り子運動」ととらえられている。対して、キープレフト理論はスイングを「吊り子運動」を考えている。この動きは寺の鐘を棒でつくイメージだ。振り子運動に比べリストコックやアームローテーションへの意識は不要で、動きがシンプル、再現性が高いスイングといえる。スイングに不安を持つアマチュアゴルファーにぜひすすめたい。本書では、キープレフト理論を写真を多用して徹底的にわかりやすく解説する。なお、この理論の考案者・和田泰朗プロは、会員数3万8000人の世界的ティーチングプロ団体WGTF(World Golf Teachers Federation)の一人で、会員の1%しかいない「マスター」の資格を取得。さらにこの理論が認められて 2019年、WGTFのティーチングプロ・トップ100に選ばれている。
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