「はい」の返事一言でも個性が浮き彫りに!読者に違和感を与えないセリフと口調のテンポ設計【賞を勝ち獲る小説の書き方】

\世界観を壊さないためのキャラクターと設定の整合術/

設定を作ったはいいものの、伝わらない。
そんなもったいない話はありません。設定は説明ではなく描写で見せます。
世界のルールや言語を整理し、
読者が自然と納得する物語を作ります。


口調のテンポを変えてキャラに違いを出す

そのキャラクターはどんな速度で考え、話し、感情を出すでしょうか。テンポが定まった人物はリアリティを持って安定し、読者の信頼を得られます。

POINT

  • キャラの口調と反応速度を固定する
  • 感情の出し方に基準を持たせる
  • 場面ごとの口調のぶれを点検する

【編集者】口調・思考・感情のテンポを統一する

 口調や感情の出し方、反応速度の揺れには、その人なりのテンポがあります。それが場面ごとに変わりすぎると、読者は無意識に違和感を覚えます。普段は慎重なのに急に短気になる、冷静な人物が不自然に饒舌になる、などがよくある例です。

 人物のテンポは、日常の反応から自然に決まります。たとえば、即断即決タイプは短いセリフを連発し、喜怒哀楽の大きい人なら感情表現が跳ね、慎重な人物は言葉を探す“間”が生まれるでしょう。テンポの“癖”をひとつ決めるだけで、セリフ・行動すべてに統一感が生まれます。感情の高まりで多少の揺れは生まれますが、基礎となるリズムは一定のはずです。

 テンポの整合さは目立ちませんが、不整合は読者にキャッチされ、感情移入を阻害します。編集者は、その“自然さ”をさりげなくチェックしています。

【作家】“はい”のセリフ一言でも個性を出すことは可能

 キャラクターの特性や傾向がもっとも際立つのはセリフ部分です。思考や感情まで露わになるパートだけに、書き手は言葉遣いと言い回しに細心の注意を払わなければなりません。

 「はい」と肯定する返答ひとつでも、キャラの違いは明確に表せます。「うん」「そうですね」「おう」「了解!」「オッケー」など、言い方は実にさまざま。しかもたった一語でも性格が浮き彫りになります。

 こうしたさりげないひと言で個性とは決定づけられ、読者は初見の印象を大切にインプットします。その一方、次のシーンでキャラの在り方に違和感を覚えれば、物語への不信感を募らせて心を離します。読者も編集者も、この点は非常にシビアです。ゆえに書き手は一度決めたキャラ像がぶれないよう、特にセリフ部分では個別のテンポを意識し、ぬかりない描写を心掛けるべきでしょう

キャラ像がぶれると読者は不審に思う

何でもできる!僕に任せて! 頼れるキャラなのね!
え?僕?他の人に頼んだら? あれっ頼れるキャラ…?  

 【出典】『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ

【著者紹介】
秀島迅
青山学院大学経済学部卒。2015年、応募総数日本一の電撃小説大賞(KADOKAWA)から選出され、『さよなら、君のいない海』で単行本デビュー。小説家として文芸誌に執筆活動をしながら、芸能人や著名人のインタビュー、著述書、自伝などの執筆も行なっている。近著に長編青春小説『その一秒先を信じて シロの篇/アカの篇』二作同時発売(講談社)、語彙力図鑑シリーズなど著書多数。また、コピーライターや映像作家としての顔も持ち、企業CM制作を現在も月10本以上手がけている。

【クリエイターシリーズ】の特設サイトはこちら(別タブ)

【書誌情報】
『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』
著:秀島迅/監修:Nola編集部/イラスト:真崎なこ


【Amazonで購入する】
【DMMブックスで購入する】

☆☆大人気クリエイターシリーズ最新刊☆☆

小説編集者×小説家
読み手と書き手のプロたちがタッグを組んで
賞を勝ち獲るための小説の書き方を教えます!

今まで何千何万もの作品に目を通してきた小説投稿サイト『Nola』の編集者たち。
数多くの出版社とのコンテストを開催し、多くの作品を世に生み出してきました。

本書では、そんなライトノベル編集のプロが普段は絶対に明かさない、
コンテストで常にチェックしている絶対必要なポイントを徹底解説します。
どうしても文章を書く際は、自分の書きたいことが飽和して読みづらくなりがちですが、
読み手側の視点を取り入れることで、作品の完成度を高めることができます。

そんな編集者のポイントを再現する文章の書き手は、
クリエイターシリーズすべての著者を務めるプロの小説家、秀島迅氏。
編集者が「あっ」と驚く文章構成や、プロなら絶対に押さえておきたい書き方の基本メソッドに加え、
つい書き手がやってしまうNG例も実際に例文を読みながら学べます。

そのほか、本書は物語・シナリオを書くための構想の仕方を教えるだけでなく、
「感情をうまく伝える余白・改行の使い方」
「音で残るタイトルは、読者の頭に染みつく」……etc.
プロの小説家だけが知っている、誰でも即マネできる技法を大公開!

小説の面白さには自信があるけど、なぜだか賞は獲れない……という人に向けて、
プロの編集者と小説家による一段階上の技術を習得できる超実用的な小説の書き方本です。

この記事のCategory

求人情報

インフォテキストが入ります