人の欲望が商品を生み出す!資本主義の中で変化する「価値」の捉え方【眠れなくなるほど面白い 図解 資本論の話】

この世のすべては「商品」になりうる

欲が商品を生み出す

 私たちは毎日、無数の商品に囲まれて暮らしています。朝に飲むコーヒー、コンビニのお弁当、服、化粧品、ゲーム……。お金を払って手に入れるモノは、ほとんど商品です。

 単に「商品」というと、形のあるモノを思い浮かべがちです。しかし、実際にはモノだけではありません。たとえば美容室で髪を切ってもらう時間、英会話レッスン、宅配サービス、アプリの便利な機能、映画などが観られるサブスクといった、形のないものも商品なのです。資本主義社会では、「人間の外部にある対象で、人の何かしらの欲求を満たすもの」が商品になります。形のないものも欲を満たせれば商品になるのです。

 そして商品になると、それが「社会にとってどれぐらいの価値があるのか」という目で見られるようになります。たとえば料理が得意な人の手料理も、家族にふるまうだけなら生活の一部であり商品ではありません。

 しかし、その料理をお店で売ったり、動画で発信して収益を得たりすると、商品として社会の中を動き始め、その値段や売れ方、収益の上がり方で価値がわかるようになるのです。

 資本主義社会では便利なモノだけでなく、人の時間、能力、気持ち、注目までもが商品になっていきます。「商品とは何か」を考えることは現代において、重要なことなのです。


「商品」=人の欲求を満たすもの

資本主義社会では、「人の欲求を解決するものが商品」として扱われており、形の有無は関係がない。


家庭料理は商品ではない?

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 資本論の話』監修:白井 聡

【監修者紹介】
白井 聡 (しらい・さとし)

政治学者、思想史家。1977年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。京都精華大学人文学部教員。レーニンの政治思想研究を出発点とし、現代日本社会や資本主義を鋭く読み解く論考で注目を集める。『永続敗戦論―戦後日本の核心―』(太田出版)で第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞を受賞。主な著書に『国体論菊と星条旗』(集英社新書)、『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社)、『今を生きる思想マルクス生を呑み込む資本主義』(講談社現代新書)などがある。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 資本論の話』
監修:白井 聡


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「AIで便利になったはずなのに、どうして働き方はラクにならない?」
「なぜ一部の人だけが、どんどんお金持ちになっていく?」
「“社会に必要な仕事”ほど給料が上がらないのはなぜ?」

そんな“現代社会の違和感”を、150年以上前に見抜いていた本――それがマルクスの『資本論』です。

本書は、難解な古典として知られる『資本論』を、「現代社会を読み解く」視点で、図解でわかりやすく解説した一冊です。
「資本主義とはそもそも何か?」から始まり、「会社はどうやって利益を生み出しているのか」「なぜ効率化しても仕事は減らないのか」「なぜ毎年数字に追われるのか」まで、私たちの日常と結びつけながら読み解きます。
剰余価値、労働力商品、資本の増殖といった『資本論』の重要キーワードも、図解だからスッキリ理解!

さらに本書では、“働き方”だけでなく、“欲望”や“価値観”までもが資本主義に組み込まれている現代社会の姿にも迫ります。
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私たちの心や感情までが「資本」に回収されていく構造が、『資本論』を通して見えてきます。

『資本論』は、単なる「お金の本」ではありません。
“なぜ今の社会はこうなっているのか”を理解するための本です。

この本を読めば、あらゆる議論の見え方も、働くことへの感覚も、そして自分の感情の見え方もきっと変わります。

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