「人の気持ちや空気が読めない」? 同じ失敗を繰り返さないための「具体的な動作」の教え方【発達が気になる小学生のおうちサポート帖】

先生と友だちと「対人関係の悩みごと」とおうちサポート

人の気持ちや空気を読めない

困りごと【思ったことを口に出す】

 子どもは、よいことも悪いことも思ったことが正直に口から出るものだと思います。成長していくなかで、相手や場に合わせて話すことを学んでいます。小さいときには、まだ子どもだから、悪気はないから……ですみますが、年齢が上がっても同じ様子だと、相手にいやがられてしまうことも。ただ、本人には悪気はなく、相手の気持ちや場の空気を読み取れていないからなのかもしれません。

 相手を傷つけることや、いやなことをいってしまわないか、おとなは心配に感じることでしょう。

考えられる背景【人の表情から気持ちを読み取りにくい場合も】

 人の表情は複雑。人によって同じ気持ちであっても表情が違います。この表情を読むことが難しいと感じる子どももいます。

 表情を読み取れないと、相手の思考や気持ちに気づけないこともあるかもしれません。

 相手の視点に立てず、相手の気持ちや状況がつかみにくい可能性もあります。人にはいろいろな考え方、思考があることを知らないということもあります。

イラスト:こやまもえ

サポートポイント【気持ちを具体的に伝えて実践してみる】

 第三者が相手の気持ちを言語化して伝えましょう。たとえば、おうちできょうだいげんかがあったときは「お兄ちゃんは〇〇されていやな気持ちになったから怒っているんじゃないかな?」のように気持ちを代弁して説明します

 言葉だけで伝わりにくい場合は望ましい言葉づかいや行動を実践して教えるようにします。たとえば、勢いよくおいたカバンが人にあたり、相手が痛がったとします。「乱暴においたから、人にあたって痛い思いをさせてしまったね。あやまろう」と伝えるだけでは、また同じことが起こるかもしれません。くり返さないためには「ものをやさしくおく、そっとおく」というその場で求められる行動も実際にやりながら教えていきましょう

 自分がやったことを振り返り、相手はどう感じたのかを一緒に考えることも大切です。「わたしが〇〇したら、お母さんはうれしそうだった」「ぼくが〇〇といったら Aくんが怒った」など。そして次に同じようなことが起きたらどうするかを子どもに投げかけて考えてもらいます。子どもの言い分や気持ちを受け止めた上で望ましい行動ができるようサポートしていきましょう。

サポートポイント【「○○してもいい?」を身につける】

 「〇〇してもいい?」と相手に確認する・許可を得るスキルを教えましょう。

 たとえば、友だち同士が仲よくおしゃべりしているところに、いきなり入りこんでしまうのは空気が読めないと思われてしまうかも。「お話に入ってもいい?」「入れて」などと一言ことわってから入るとよいことを伝えましょう。やりたいことがあるときも、おとなに「〇〇してもいい?」と聞いて許可が出てから行うようにしてみましょう。相手の様子をうかがう練習になります。他の家族も同じようにすると子どもの見本になります。

【出典】『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』監修:湯汲英史

【監修者情報】
湯汲英史
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、練馬区保育園巡回指導員などを務める。
著書に『0歳〜6歳子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(Gakken)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方―話す前から一・二語文まで―』(明石書店)、監修書に『心と行動がよくわかる図解発達障害の話』(日本文芸社)など多数。

【イラストレーター】
本田佳世、こやまもえ

【書誌情報】
『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』
監修:湯汲英史、イラスト:本田佳世/こやまもえ


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発達に障がいを抱える子どもや青年と40年以上かかわり、
小学生前後から成人後までひとりの人と向き合う、
公認心理師・湯汲英史先生だからこその視点で紹介します。

「テキパキ通学路を歩かない」
→手をつながず、大人のカバンを触って一緒に歩き、速さや人との距離感を覚える

「着替えに時間がかかる」
→おうちでは「フラフープの中」や「ジョイントマットの上」だけで着替えるルールにして、着替え中に歩きまわらない・気を散らさない習慣を身につける

「当番や係ができない」
→おうちでもくつを並べる、机をふく、洗濯物を外すなどの当番制を導入

「授業中に立ち歩く」
→おうちでは「座るカード」を作成し、このカードが机にある間は座っているゲームを取り入れる

「忘れもの、なくしものが多い」
→ランドセルのふたの裏に「持ち帰るものリスト」を貼る、おうちに「連絡帳・プリント置き場の箱」をつくる

「自分の気持ちを伝えられない」
→おうちでは「気持ちのことばリスト」を指でさすところから

「人の話を聞かない」
→おうちで、ぬいぐるみをもっている人が話すゲームをしてみる。話終わったらぬいるぐるみを相手に渡してだまるなど

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