【阪神】高寺望夢「遊撃一本」で挑む覚悟――相性抜群の広島戦開幕スタメンへ向けた秋

阪神タイガースの高寺望夢(24)が、高知・安芸で行われている秋季キャンプで覚悟の「遊撃専念」に突き進んでいる。今季、チームの窮地を救うマルチな活躍を見せた若武者が、なぜポジションを一つに絞り、厳しい守備特訓に身を投じるのか。来季の開幕戦日程決定や定位置争いの構図とともに、高寺望夢が描く「開幕遊撃」へのロードマップを追う。


ユーティリティーからの脱却:ポジション一本化に込めた意図

今季の高寺望夢は、内野手登録でありながらチーム事情に応じた高い柔軟性を発揮した。主力の中堅手である近本光司が左手首骨折で戦線離脱した際には中堅を守り、二塁手の中野拓夢が不調に陥った際にはセカンドを担当。さらに左翼手としても試合に出場するなど、ユーティリティープレイヤーとして抜群の存在感を示した。

しかし、10月の「みやざきフェニックス・リーグ」から遊撃手への本格挑戦を開始。藤川球児監督から3月まで挑戦をしかけていくとの方針が示されたことで、定位置奪取に向けた取り組みが本格化した。

秋季キャンプの第1クール4日間、高寺望夢は他のポジションに一切就くことなく、遊撃の位置だけで白球を追い続けた。今は遊撃のことしか頭にないと語る言葉には、退路を断って一ポジションに賭ける強い決意が滲む。


早出特守で磨く守備力:「新しく技術をつける」愚直な姿勢

遊撃手としての再出発にあたり、高寺望夢が取り組んでいるのが守備課題の徹底的な消化だ。キャンプ期間中は午前8時半からの「早出特守」に連日参加し、泥まみれになりながらノックを受け続けている。

かつての守備感覚を単純に呼び戻すのではなく、思考を切り替えて守備を一から構築し直すアプローチを選択している点が印象的だ。

今は自分の技術を上げることしか考えていないと言い切る姿勢の裏には、結構しっかり追い込めているので、いいキャンプになっているという手応えと充実感が漂う。


厚い壁に挑む定位置争い:木浪・熊谷のFA残留と藤川監督の方針

阪神のショート争いは、今オフさらに熾烈さを増している。守備の要として実績のある木浪聖也、そして内野全般を高水準でこなす熊谷敬宥の2選手が、ともに国内フリーエージェント(FA)権を行使せずにチーム残留を決断したためだ。

実績ある先輩たちが立ちはだかる構図に対し、高寺自身は謙遜の姿勢を崩さない。

選手名主なポジション・実績今オフの動向
木浪 聖也遊撃手(昨季までのレギュラー実績)国内FA権を行使せず残留決定
熊谷 敬宥内野全般・代走・守備固め国内FA権を行使せず残留決定
高寺 望夢内野・外野(マルチ)→ 遊撃専念秋季キャンプから遊撃一本で勝負

ライバルというほど守っていないので申し訳ないと語る高寺望夢だが、藤川監督が掲げる常勝軍団形成へ向けた競争の中で、最大の挑戦者として存在感を増していることは間違いない。


鯉キラーの真価:打率.310が導く開幕戦への追い風

高寺望夢が開幕スタメンを引き寄せる上で、強力な追い風となるのが来季の開幕カードだ。NPBから発表されたシーズンの開幕戦は、3月26日、マツダスタジアムでの広島東洋カープ戦に決定した。

高寺望夢は今季、広島戦において同一リーグのカード別で最高となる高打率をマークしている。

  • 今季の広島戦対戦成績: 打率.310(58打数18安打)
  • ハイライト: 6月27日の敵地(マツダスタジアム)での試合で1試合4安打を記録

メディアやファンの間で“コイキラー”と称されることに対し、高寺望夢本人は自分の中で、どこが得意とかあまり分かっていないと苦笑いを見せるが、得意の相性を持つ球場・相手でシーズンをスタートできるアドバンテージは大きい。守備力の課題をクリアした先には、開幕スタメンの座がはっきりと見えてくる。


一冬越えた先の「開幕遊撃」へ

「今は自分の技術を上げること」を第一テーマに掲げ、高知・安芸で泥にまみれる高寺望夢。勝負強いパンチ力ある打撃に磨きをかけつつ、ショートとしての確実な守備力を身につけたとき、背番号の若い若武者は阪神の開幕遊撃手としてグラウンドに立つはずだ。

一冬を越えて進化を遂げる高寺の挑戦から、今後も目が離せない。

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