脳の情報伝達とは?シナプス間をめぐる電気信号のメカニズム【眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話】

脳内物質は、「ニューロン」と「受容体」のバケツリレーで働く

脳細胞から脳細胞へ情報が伝わっていく

ニューロンは、細胞体、軸索、神経終末という大きく3つのパーツで構成されています。そして、ニューロン同士は、神経終末の末端と、次のニューロンの細胞体の先にある樹状突起という部位の先端をつなげて回路を形成します。このニューロン同士のつなぎ目のことを「シナプス」といいます。脳に刺激情報が入ってくると、細胞体から神経終末に向かって電気信号が送られます。

すると、ニューロンの内部で合成・貯蔵された神経伝達物質を、必要に応じてシナプス間隙に放出。放出された神経伝達物質は、受け手側の細胞にある受容体に結合し、情報の受け渡しを行います。

その神経伝達物質の情報によって、再び細胞体から神経終末へと電気信号が送られ、新たな神経活動が生まれます。こうして情報は、バケツリレーのように受け渡されていくのです。

神経回路は一本の線でつながっているのではなく、多数のニューロンがつながり合ってできています。脳に入った情報は、その内容によってさまざまな神経回路に伝わっていきますが、それを伝達するために使われているのが、脳内物質。つまり、次の脳細胞へリレーで伝えていくバケツのようなものだといえます。

脳内の情報伝達“バケツリレー”のしくみ

(1)脳内の神経回路

たくさんのニューロンがつながり合って神経回路を形成している

(2)シナプス

刺激が入ると細胞体から神経終末のほうへ電気信号が伝わり、シナプスで神経伝達物質が放出される

(3)細胞膜の表面

神経伝達物質が受容体にくっつくと次のニューロンの細胞体に信号を伝える

(4)ニューロンがシナプスを通してバケツリレーで情報を伝えていく


【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話』監修:毛内 拡

【監修者紹介 毛内 拡(もうない・ひろむ)】
1984年、北海道生まれ。お茶の水女子大学ヒューマンライフサイエンス研究所助教。
東京薬科大学生命科学部卒業後、東京工業大学(現・東京科学大学)大学院で博士号(理学)を取得。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳の情報処理機構やグリア細胞の研究に従事し、文部科学省の「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」であるTRiSTARフェローとしても活躍。
著書に『脳を司る「脳」―最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき』(講談社:第37回講談社科学出版賞受賞)など多数。メディア出演も多く、脳科学の魅力を一般向けにわかりやすく伝えている。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話』
監修:毛内 拡


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