【脳と体の関係】司令塔ではなく「ひとつの臓器」?疲れた脳を整える正しいケア【眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話】

脳は特別な「司令塔」ではなく、あくまで「ひとつの臓器」である

脳と身体は互いに連携しながら働いている

脳はよく「身体の司令塔」にたとえられます。そのため、脳が身体に一方的に命令しているように思われがちです。しかし実際には、心臓や肝臓と同じように、脳も身体を構成するひとつの臓器にすぎません。

脳は身体へ指令を出すだけでなく、内臓、筋肉、血管、免疫系などからの情報を受け取りながら働いているのです。

そのため、身体と同じように、脳も無理をすれば疲れます。睡眠不足、ストレス、情報過多、炎症、生活リズムの乱れなどが続けば、脳の働き方も変わります。そもそも心身は互いに連携しているため、身体に不調が生じているときには、脳もまた余裕を失っている可能性があります。

このとき、脳は怠けているのではなく、過剰な情報処理や身体の不調に対応し続けているのかもしれません。その結果として、考えがまとまらない、感情が高ぶる、動けなくなる、反応が鈍くなるといった状態が起こることが考えられます。だからこそ、脳も身体の一部として、休息、栄養、運動、睡眠、人との関わりを含めて整えることが大切です。

つまり、脳内物質を直接コントロールして問題を解決しようとするのではなく、脳内物質が働きやすい状態を整えること。それが、脳をケアする第一歩です。

脳は全身と相互に影響し合っている

【脳】さまざまな情報を処理

脳は暗い頭蓋骨のなかにあり、外の世界を直接見ているわけではない。情報を受け取り、それをどう処理するかで世界は変わってくる。

【心とは?】

脳の状態、身体の反応を含め、脳が情報を解釈し、最終的に出力として選択したもの。フワッとしたスピリチュアルなものではない。

全身からの刺激情報

心拍や呼吸の感覚(内受容感覚)のほか、内臓、血管、筋肉といった全身の情報が、常に脳に送られている。

常に情報を伝達

意識の有無に限らず、常に脳は身体に対して指令を送っている。

外部からの刺激

五感からの感覚情報(外部からの刺激)も常に脳に送られている。


【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話』監修:毛内 拡

【監修者紹介 毛内 拡(もうない・ひろむ)】
1984年、北海道生まれ。お茶の水女子大学ヒューマンライフサイエンス研究所助教。
東京薬科大学生命科学部卒業後、東京工業大学(現・東京科学大学)大学院で博士号(理学)を取得。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳の情報処理機構やグリア細胞の研究に従事し、文部科学省の「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」であるTRiSTARフェローとしても活躍。
著書に『脳を司る「脳」―最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき』(講談社:第37回講談社科学出版賞受賞)など多数。メディア出演も多く、脳科学の魅力を一般向けにわかりやすく伝えている。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話』
監修:毛内 拡


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私たち人間の健康状態や感情は、脳と身体の相互作用に大きな影響を受けています。
そのなかで重要な役割を果たしているのが、ドーパミン、セロトニン、GABA、ノルアドレナリンなどに代表される“脳内物質”です。

「ドーパミンが出るとやる気が出る」
「セロトニンが出ると幸せになる」
そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。

しかし実際には、脳内物質の働きはそれほど単純ではありません。
脳内物質は、私たちの感情や行動を一方的に支配しているのではなく、
脳と身体の状態、注意、覚醒、意欲、睡眠、ストレス反応などに深く関わっています。

本書では、脳内物質の基礎知識をわかりやすく解説しながら、
やる気が出ない、集中できない、眠れない、気分が落ち込むといった日常の不調を、
脳と身体の状態から読み解いていきます。

脳内物質を「増やす」「コントロールする」のではなく、
その働きを手がかりに自分のコンディションを理解し、整える。
仕事、勉強、趣味、人間関係をよりよくするための、脳科学に基づいた実践法も紹介します。

本書を通して、自分の脳と身体の状態を読み解き、無理なく整えるヒントを見つけてください。

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