【自律神経の働き】動けないのは「逃げ」じゃない、命を守るスイッチ【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】

背側迷走神経の「凍りつき・不動」モードは生き抜くための知恵

自分の身に迫る危険に対し、自律神経が「戦っても逃げてもダメだ」と判断したときに働くのが、背側迷走神経の「凍りつき・不動」モードです。

心身を強制的にシャットダウンさせても、体内には戦う逃げるために使うはずのエネルギーが蓄積されています。

安全・安心を確認できれば、体内のエネルギーは放出されて、ふたたび動くことが可能になり、リラックスの2つの迷走神経もふたたび働き始めます。

ストレスが極限に達したときに、動けなくなったり心を閉ざしたりするのは、自分の心身が壊れないように背側迷走神経ががんばっているからです。私たちが意識しないところで、こんな離れ業をやってのけるのですから、自律神経というのは本当によくできていると驚くしかありません。

3つの自律神経は三位一体

このように、3つの神経の働きには重要な意味があり、どの神経がよい・悪いということはありません。

交感神経がほどよく働けば、よい意味でのドキドキやワクワクをもたらしてくれます。また、交感神経がもたらす緊張や不安があるからこそ、人はポテンシャルを発揮したり感動を味わったりすることができます。

誰かとつながって落ち着く腹側迷走神経も、ひとりでリラックスする背側迷走神経が育っていなければ、きちんと働くことができません。

これらの3つの神経を行き来することで、私たちは緊張・不安とリラックスを繰り返し、日々を生き抜きながら成長しています。3つの神経は命の守り手であり、どの要素が欠けても人は生きていけないのです。

【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子

【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子


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3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!

「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。

ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。

本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。

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