抱きつく代わりに言葉を使おう!人との距離感をうまくつかめない子どもに教えたい「呼びかけ」【発達が気になる小学生のおうちサポート帖】

先生と友だちと「対人関係の悩みごと」とおうちサポート

人との距離感をうまくつかめない

困りごと【距離感がわからない】

 友だちとのちょうどよい距離感は、成長とともに身についていく可能性もありますが、年齢があがっても仲よしの友だちだからと抱きついてしまったり、ベタベタとさわってしまったり、小学校の先生の膝の上に座りたがったり、手をつないで行動をしたり……という姿がみられると気になりますね。人懐っこいタイプという見方もありますが、スキンシップが度をこえていたり、相手が不快に感じていたら対策を考えていきましょう

 また、年齢があがってくると、性教育の視点からも、気軽に抱きついたりおとなの膝の上に座ったりする行動などは気になってくるところです。

考えられる背景【距離感 、関係性がわからない】

 自分や相手のパーソナルスペースがわからずに、近づきすぎているのかもしれません。人には、入られたくない自分だけの快適な空間があります。パーソナルスペースとは、心理的な距離のこと。人によって安心できる距離は異なります。

 相手と関わりたくて、距離が近くなってしまうこともあります。抱きついてしまったり、相手の顔の近くで話しかけたりしてしまうかもしれません。相手との距離感は関係性に合わせられるようにしていきたいですね

イラスト:こやまもえ

サポートポイント【呼びかけて振り向いてもらおう】

 相手と関わりたいと思ったときには、抱きつくのではなく、まずは呼びかけるとよいことを伝えましょう。名前がわからず呼べないから近づきすぎていることもあるかもしれません。名前がわからなくても「ねぇ、ねぇ」「ちょっと」と声をかけて肩をとんとんやさしく触れるなど、誰にでも使える呼びかけ方があることを教えていきましょう。呼びかけてから「何してるの?」「一緒にやろう」といえば、ほどよい距離で相手と関われるでしょう。これは家庭でも練習しやすいでしょう。

 また、自分が相手から呼びかけられたとき、耳には届いていて話は聞こえていても、返事をする(反応する)、今やっていることの手を止めて顔を向けて話を聞く、取り込み中でどうしても中断できないときは「ちょっと待って」と伝えることも大切なコミュニケーションスキルです。

【出典】『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』監修:湯汲英史

【監修者情報】
湯汲英史
公認心理師・精神保健福祉士・言語聴覚士。早稲田大学第一文学部心理学専攻卒。現在、公益社団法人発達協会常務理事、練馬区保育園巡回指導員などを務める。
著書に『0歳〜6歳子どもの発達とレジリエンス保育の本―子どもの「立ち直る力」を育てる』(Gakken)、『子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ』(鈴木出版)、『ことばの力を伸ばす考え方・教え方―話す前から一・二語文まで―』(明石書店)、監修書に『心と行動がよくわかる図解発達障害の話』(日本文芸社)など多数。

【イラストレーター】
本田佳世、こやまもえ

【書誌情報】
『発達が気になる小学生のおうちサポート帖』
監修:湯汲英史、イラスト:本田佳世/こやまもえ


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親子で「こうしたらうまくいくかも」をつかんでいくことを目指します。

発達に障がいを抱える子どもや青年と40年以上かかわり、
小学生前後から成人後までひとりの人と向き合う、
公認心理師・湯汲英史先生だからこその視点で紹介します。

「テキパキ通学路を歩かない」
→手をつながず、大人のカバンを触って一緒に歩き、速さや人との距離感を覚える

「着替えに時間がかかる」
→おうちでは「フラフープの中」や「ジョイントマットの上」だけで着替えるルールにして、着替え中に歩きまわらない・気を散らさない習慣を身につける

「当番や係ができない」
→おうちでもくつを並べる、机をふく、洗濯物を外すなどの当番制を導入

「授業中に立ち歩く」
→おうちでは「座るカード」を作成し、このカードが机にある間は座っているゲームを取り入れる

「忘れもの、なくしものが多い」
→ランドセルのふたの裏に「持ち帰るものリスト」を貼る、おうちに「連絡帳・プリント置き場の箱」をつくる

「自分の気持ちを伝えられない」
→おうちでは「気持ちのことばリスト」を指でさすところから

「人の話を聞かない」
→おうちで、ぬいぐるみをもっている人が話すゲームをしてみる。話終わったらぬいるぐるみを相手に渡してだまるなど

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