【猫と人の1万年史】どうやって野生のネコは家庭で愛される動物へと変わっていったのか?【猫柄図鑑】

人類との出会いと家畜化のはじまり、そして愛されるペットへ

 人間と猫の祖先であるリビアヤマネコのファーストコンタクトは、人間が農耕生活を始めた1万年ほど前とされています。大切な穀物をネズミから守るため、人々はヤマネコをそばに置こうと考え、長い時間をかけて根気強くイエネコへと家畜化していったのです。

 やがて、家畜化の途中にあるリビアヤマネコは人間によって他の地域へ運ばれ、世界各地へと広まっていきました。その過程で、猫にはネズミを捕るだけの動物ではなく、共に暮らし人間に癒しを与える伴侶動物としての役割も担うようになっていきました。

猫と人間の関係を知ろう<猫のかんたん世界史年表>

約1万年前 メソポタミア(現在のイラク)で猫の家畜化が始まる
約4000年前 古代エジプトで猫の家畜化がほぼ完了する
約2500年前 古代ギリシャに猫が伝わり、その後ヨーロッパにも拡まる
約2000年前 インドや中国に猫が伝わる
約1400年前 日本に猫が伝わる(飛鳥時代)。約2100 年前(弥生時代)の可能性もあり
10〜11世紀 ヨーロッパのほぼ全域に猫が伝わる
11世紀頃 ヨーロッパで悩みの種となっていたクマネズミを退治するとして、猫が大切に扱われるようになる
16〜18世紀 中世ヨーロッパで魔女裁判が広がり、多くの猫が迫害される
19世紀 江戸時代後期の日本で猫ブームが起こる

野生のヤマネコをどうやって家畜化したのか?

ネズミを退治してくれる頼もしい存在

 農耕生活を始めた人間は、収穫した穀物を家や倉庫で大切に貯蔵していました。ところが、その穀物を食い荒らそうとネズミが集まり、貯蔵庫に住みつくようになったのです。繁殖力の高いネズミは、人々にとってさぞかし脅威だったことでしょう。

 そこへ救世主が現れました。人間の集落にはびこるネズミを狙って、周辺で暮らすリビアヤマネコが集落に出入りするようになったのです。ネズミを退治してくれるこの美しいハンターの活躍を目にして、人々は彼らと集落のなかで一緒に暮らしたいと考えたのでしょう。そこで、生まれて間もない子猫を人の手で育て、穏やかな性格のヤマネコを手元に残すなどして、しだいに人間に馴れる猫へと変化していったのでしょう。

穀物を食い荒らすネズミを退治してくれるリビアヤマネコ。優秀な狩人にして美しい姿を持つ彼らを、人々がそばに置きたいと考えたのは当然かもしれません。

【出典】『猫柄図鑑』監修:山根明弘

【書誌情報】
『猫柄図鑑』
監修:山根明弘


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