集中できない・気分が落ち込む原因は脳内物質?体内リズムを変化させる神経伝達物質の仕組み【眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話】

脳内物質とは、脳の働き方を変える「信号」である

心身のさまざまな状態の背景に脳内物質が働いている

脳内での情報のやりとりは、神経細胞であるニューロンをたくさんつなげた神経回路を通して行われます。

そして、ニューロン同士の情報伝達に関わる物質の代表が、神経伝達物質です。神経伝達物質は、ニューロンの末端から放出され、次のニューロンや周囲の細胞にある受容体に作用します。これによって刺激が次々に伝えられていくのです。

本書(『眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話』)では、この神経伝達物質に加えて、脳と身体の状態に関わるホルモンや神経ペプチド(アミノ酸を2つ以上つなげた化合物)も、広い意味で「脳内物質」として扱います。

主な働きとしては、たとえば、夜になると眠くなる、朝に活動モードへ移る、泣く、笑う、怒るといった状態には、その背景に脳内物質が深く関わっています。

また、やる気が出ない、気分が落ち込む、集中しにくいといった状態も、意志の弱さだけで説明できるものではありません。このような日常のパフォーマンスの低下にも、実は脳内物質を含む、脳と身体の状態が関わっているのです。

さらに、おいしいものを食べて満たされるなどの感覚にも背景に脳内物質の働きがあります。

身体を整える脳の働き

外からの刺激脳の反応身体の状態
朝の光セロトニンで体内時計が整う日中の覚醒リズムがつくられる
夜の暗さメラトニンの分泌リズムが整う休息モードになる
ストレスコルチゾールなどのストレス反応危機対応モードになる

感情を生む脳の働き

たとえば、目の前におにぎりがある……

・おいしそうだと予測する ▶ 快楽が生まれる 食べたい、楽しみ
・過去の記憶がよみがえる ▶ 安心する、懐かしい
・自分のぶんがあるか気になる ▶ 不安になる、緊張する

こうした脳の働きを背景に、脳内物質が作用する


【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話』監修:毛内 拡

【監修者紹介 毛内 拡(もうない・ひろむ)】
1984年、北海道生まれ。お茶の水女子大学ヒューマンライフサイエンス研究所助教。
東京薬科大学生命科学部卒業後、東京工業大学(現・東京科学大学)大学院で博士号(理学)を取得。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳の情報処理機構やグリア細胞の研究に従事し、文部科学省の「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」であるTRiSTARフェローとしても活躍。
著書に『脳を司る「脳」―最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき』(講談社:第37回講談社科学出版賞受賞)など多数。メディア出演も多く、脳科学の魅力を一般向けにわかりやすく伝えている。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳内物質の話』
監修:毛内 拡


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脳内物質を正しく理解すれば、心と体の状態が見えてくる!

集中力、記憶力、意欲、気分……。
私たち人間の健康状態や感情は、脳と身体の相互作用に大きな影響を受けています。
そのなかで重要な役割を果たしているのが、ドーパミン、セロトニン、GABA、ノルアドレナリンなどに代表される“脳内物質”です。

「ドーパミンが出るとやる気が出る」
「セロトニンが出ると幸せになる」
そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。

しかし実際には、脳内物質の働きはそれほど単純ではありません。
脳内物質は、私たちの感情や行動を一方的に支配しているのではなく、
脳と身体の状態、注意、覚醒、意欲、睡眠、ストレス反応などに深く関わっています。

本書では、脳内物質の基礎知識をわかりやすく解説しながら、
やる気が出ない、集中できない、眠れない、気分が落ち込むといった日常の不調を、
脳と身体の状態から読み解いていきます。

脳内物質を「増やす」「コントロールする」のではなく、
その働きを手がかりに自分のコンディションを理解し、整える。
仕事、勉強、趣味、人間関係をよりよくするための、脳科学に基づいた実践法も紹介します。

本書を通して、自分の脳と身体の状態を読み解き、無理なく整えるヒントを見つけてください。

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