ダウンの素材である綿羽の断熱性!鳥の羽毛が持つ驚きの機能と6つの分類【鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書】

羽毛の種類と役割

鳥の羽毛は、主にβ-ケラチンという強度のあるタンパク質でできています。成長を終えた羽毛には血管や神経はなく、細胞は死んでいます。機能や形の違いから、「正羽」、「半綿羽」、「綿羽」、「糸状羽」、「ひげ」、「粉綿羽」の6種類にわけることができます。羽毛は飛ぶためだけでなく、体温調節や防水、なかまとのコミュニケーションなど、鳥のくらしを支える重要な役割も担っています。

羽毛の種類 − 正羽

 体の表面をおおう羽毛の多くが「正羽」で、1本の羽軸の両側に「羽弁」があります。羽弁は、羽軸からのびた羽枝に小羽枝がつき、小羽枝どうしが鉤状の構造で引っかかり合って形づくられています。

 正羽には、風切羽や尾羽、体の表面をおおう体羽などがあります。風切羽や尾羽は飛行に役立ち、体羽は空気抵抗を減らしたり、水が染み込むのを防いだりする働きをします。

イラスト/マカべアキオ

羽毛の種類 − 半綿羽・綿羽

 半綿羽は、羽軸に柔らかい羽枝がはえ、お互いがくっつかない構造をしています。体のふくらみをつくり、暑さや寒さから身を守るほか、流線型のふくらみをなめらかにし、求愛用の飾り羽の役割も果たします。

 綿羽は、一部の例外を除いて羽軸がなく、柔らかく弾力のある毛のような羽枝や小羽枝が、根元の羽柄から直接伸びています。皮ふに最も近い場所に生え、空気をためることで断熱効果を発揮します。ダウンジャケットの素材として利用される羽毛でもあります。

羽毛の手入れと換羽

 羽毛の機能を保つため、鳥はひんぱんに羽づくろいをして手入れを行います。また、羽毛についた汚れやダニを落とすため、水浴びや砂浴びも行います。

 多くの種では、羽づくろいの際には、尾羽のつけ根にある尾脂腺から分泌される油をくちばしにつけ、羽毛にぬり込むことで防水性をもたせています。

 羽毛は手入れをしていても摩耗して傷むため、毎年決まった時期に古い羽が抜け、新しい羽毛に生え換わる「換羽」が行われます。また、換羽によって繁殖期と非繁殖期で羽色が大きく変わる種もいます。カモやツルでは、翼の風切羽がいっせいに換羽し、2週間ほど飛べなくなる種もいます。

 換羽期以外にも事故などで羽毛が抜けることがありますが、その場合はすぐに新しい羽毛が生えてきます。

ディスプレイ用の羽毛

 鳥の羽毛には、さまざまな形や色があり、なかま同士のコミュニケーションに使われます。中には求愛や捕食者を驚かせるときに使う特別な形になった羽毛もあります。とくに求愛に使う羽毛を「飾り羽」と呼び、大きく広げたり、ふるわせたりして、ライバルのオスに縄張りを主張したり、メスの気を引くのに使います。

羽毛の色

 鳥の羽毛はカラフルです。羽毛の色は、色素によって発色する「色素色」と、構造によって発色する「構造色」の2種類によって生み出されています。

 褐色、黒などはメラニン色素による色で、黄色や橙色、赤の多くはカロテノイド色素による色です。カロテノイドは、食べものから体内に取り込まれます。

 青や緑などの輝くような色は構造色で、羽枝の微細な構造に当たった光が散乱・反射することで、そのように見えています。


【出典】『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』著:柴田佳秀/監修:小宮輝之

【著者紹介】
柴田 佳秀 (しばた・よしひで)
科学ジャーナリスト。1965年生まれ。10歳から野鳥観察をはじめる。東京農業大学卒。自然番組のディレクターとして世界各地の鳥類を取材。2005年からフリーランス。図鑑・書籍の執筆や講演、自然番組の監修などに携わる。著書多数。日本鳥学会会員、都市鳥研究会幹事。
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【監修者紹介】
小宮 輝之 (こみや・てるゆき)
1972年多摩動物公園の飼育係に就職。2004〜2011年まで上野動物園園長。日本動物園水族館協会会長、日本博物館協会副会長を歴任する。2022年から日本鳥類保護連盟会長。環境省トキ野生復帰検討会委員、山階鳥類研究所評議員などを務める。

【書誌情報】
『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』
著:柴田佳秀/監修:小宮輝之


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