「声の異変=ノドの不調」機能低下を見逃さない【長生きのど習慣】

ノドの筋力をアップ「歌う」「話す」「笑う」

 声がかすれる、声が出しにくいということが長く続いたら、ノドに異変が起きているのかも。声帯に炎症が起きて、声帯が振動できていない可能性が考えられます。これは、炎症を抑える薬と声の安静で改善することができます。

 さらに反回神経という声帯を動かす神経が麻痺して、発声時に声帯が完全に閉じずに声がかすれる病気もあります。この状態になると、飲み物でムセる危険性も生じます。耳鼻科医師による音声外科手術で回復が期待できます。またプッシング法である程度改善できる場合も。いずれにせよ耳鼻咽喉科専門医の診察が必要です。

 さらに数週間を過ぎても声の異変が治らない場合は、声帯ポリープや喉頭がんなどノドの重篤な病気の疑いもあります。やはり早めの受診が得策です。

 声の状態はノドの健康のバロメーター。声がしっかり出せる、はきはきとした声で話すことができる人は、ノドの筋力が維持されていて誤嚥を起こす可能性も低くなります。

 日常生活で歌う、話す、笑うを意識すると喉頭挙上筋群が強くなります。カラオケやおしゃべりはぜひ続けてみてください。遠方の家族や友人とオンラインで話すこともおすすめです。

反回神経麻痺のトレーニング(プッシング法)をやってみよう

壁やイスを使って手軽にできるトレーニング。声帯を鍛えながら誤嚥性肺炎も防げる。

壁を使う

(1)壁に向かって立ち、背中を伸ばして壁に手をつく。
(2)腕に力を入れて壁を押しながら大きな声で10まで数える。

【注意】
背中が曲がっていると効果がないので要注意。

イスに座りながら

(1)イスに座り、背中をまっすぐ立てて座面の横を手でつかむ。
(2)座面を上に引き上げるように手に力を入れて大きな声で10まで数える。

【注意】
背中が丸くなって前屈みにならないよう気をつける。

【出典】『長生きのど習慣』著:西山耕一郎/熊井良彦

【著者プロフィール】
西山 耕一郎(にしやま・こういちろう)
北里大学医学部卒業後、横須賀市立市民病院に勤務。横浜赤十字病院(現・横浜みなと赤十字病院)耳鼻咽喉科副部長、国立横浜病院(現・横浜医療センター)耳鼻咽喉科医長、北里大学耳鼻咽喉科診療助教授を経て、2004年に西山耳鼻咽喉科医院を開業。東海大学客員教授。藤田医科大学客員教授。嚥下相談医。嚥下認定士。神奈川県嚥下キーパーソン。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師として、30年間で約1万人の嚥下障害患者の診療を行う。主な著書に『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』(飛鳥新社)『のどを鍛えて肺炎を防ぐ!』(大洋図書)『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』(幻冬舎新書)。
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熊井 良彦(くまい・よしひこ)
長崎大学大学院耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授。主な専門分野は聴覚障害、嚥下障害、音声障害。1999年に熊本大学を卒業し、熊本大学での准教授を経て、現職。長崎大学病院嚥下障害治療センター長、長崎大学病院頭頸部腫瘍センター長を併任する。

【書誌情報】
『長生きのど習慣』
著:西山耕一郎/熊井良彦


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