イライラや体調不良は疲労の蓄積が原因!回復力が追いつかない子どもの生活リスク【一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん】

ケガしやすい、キレやすい……原因は体力不足

 体力の低下は、「疲れやすい」で終わる問題ではありません。放っておくと、さまざまなリスクにつながります。

 まず起こりやすいのが、ケガの増加です。スポーツの現場で最も多いケガは、試合終盤の疲れてきた時間帯に起こります。筋力や持久力が十分でないと動作のバランスが崩れ、関節や骨、靭帯が瞬間的な負荷に耐えきれず損傷につながります。体力不足はフォームの乱れを招き、ケガの確率を高めます。

 次に問題となるのが、回復力の低下です。免疫や自律神経が安定していないと、疲労が取れるまでに時間がかかります。その結果、翌日以降も疲れが十分に抜けず、どんどん蓄積していきます。

 たとえば、学校や習い事から帰宅したあと、そのままソファで寝落ちしてしまい、夜遅くに目が覚める。そこから入浴や食事をすませることで就寝時間がさらに遅くなり、翌朝はなかなか起きられない、こうした生活は決して珍しくありません。また、平日の疲れが蓄積し、休日は昼近くまで寝てしまうものの、十分に回復した実感がないというケースもみられます。

 このように、回復が追いつかない状態が続くと、日々の疲れはリセットされることなく積み重なっていきます。その結果、集中力の低下や体調不良につながり、本来の力を発揮できない状態に陥ってしまうのです。さらにそのような状態が続くと、イライラしやすくなり、集中力も続かなくなります。こうして、疲労がさらに回復しにくくなるという負の連鎖が始まります。

がんばりが悪循環を招いてしまう

 成績を上げようと毎日塾に通い、帰宅が遅くなっている子どもを考えてみましょう。夜遅くまで勉強しているため睡眠時間が短くなり、翌朝は疲れが残ったまま学校に向かいます。授業中は集中力が続かず、思うように理解できないことでストレスがたまります。その結果、「もっと勉強しないといけない」と感じ、さらに学習時間を増やしますが、疲労が抜けていないため効率は上がりません。塾でもぼんやりしてしまい、内容が頭に入りにくくなります。

 こうして、勉強量は増えているのに成果が出にくくなり、本人の焦りやストレスはさらに強くなります。そして睡眠は削られ、回復は追いつかず、疲労が蓄積していく、このようにして、学力を伸ばそうとする努力そのものが、かえってパフォーマンスを下げてしまうという悪循環に陥ることがあります。

【出典】『一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん』著:沼倉裕堅 / 監修:藤原朋未 / イラスト:カヤヒロヤ

【著者紹介】
沼倉裕堅(ぬまくら・ひろかた)
医師、SBC 整形外科クリニック 西新宿本院 院長。東北大学医学部卒業。湘南藤沢徳洲会病院にて研修中、「仮骨延長法」に出会い、身長治療の道を志す。スカイ整形外科クリニックで整形外科医として経験を積んだ後、SBCメディカルグループに参画。現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、成長期のお子さんや、将来を案ずる保護者と向き合い、「のびのび先生」の愛称でも親しまれている。体の成長に悩むすべての方に対し、最適な選択肢を提示する医療を信条とする。専門分野は身長治療および整形外科一般。

【書誌情報】
『一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん』
著:沼倉裕堅 / 監修:藤原朋未


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身長が大きく伸びるのは思春期まで、神経や脳の基盤が整うのは12歳頃まで。
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