人工的な配置や謎の文字も!宮島「弥山」の巨石群に伝わる超古代文明説とは!?

嚴島神社の御神体・弥山の巨石群は超古代文明の遺跡?

謎を秘めた山頂の巨岩・奇岩群

 嚴島神社の背後にそびえる標高535mの弥山は、古くから山(島)そのものが御神体として崇拝されてきました。また、弥山山頂からの眺望は瀬戸内海屈指の絶景として知られ、かつて山頂を訪れた伊藤博文は、「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と賞賛しました。

 弥山の山頂付近には、空海(弘法大師)が灯したと伝わる「消えずの火」で有名な霊火堂などの大聖院の堂宇のほか、多くの巨岩・奇岩が点在しています。これらの巨石群は、古くから磐座(神が鎮まるとされる巨石や岩)として祭祀の対象とされてきました。弥山からは古墳時代以降の祭祀遺跡が発見されており、古代の人々が山頂およびその周辺の巨石群を「神が降臨する場所」として特別視していたことを裏付けています。また、古代の海洋民族が、月明かりに浮かぶ山頂の巨石を目印にして航海していたとする説もあります。

 なお、考古学的な定説ではありませんが、弥山の巨石群の一部には不思議な文様が刻まれており、これをシュメール語やペルシャ語に由来する「ペトログラフ(古代文字)」とする説があります。また、巨石が奇跡的なバランスで重なる「くぐり岩」や、門柱のように立つ「不動岩」など、自然の造形を超えた人工的な配置を感じさせる景観から、超古代文明や巨石文明の遺構ではないかとする説もあります。

神の山とされてきた弥山

 弥山は宮島の最高峰で、嚴島神社とともに世界文化遺産にも登録された霊山。弥山には、1200年燃え続ける「消えずの火」や、潮の満ち引きで水が上下する「干満岩」のほか、「錫杖の梅」「曼荼羅岩」「しぐれ桜」「拍子木の音」「龍燈の杉」という、空海の修行伝説に由来する「七不思議」が伝わっています。

  • 弥山山頂の巨石群
    山頂の展望台からは四国連山まで見渡すことができ、周辺は国指定天然記念物「弥山原始林」に囲まれている。
  • 巨石が微妙なバランスで重なる「くぐり岩」
    山頂近くにある巨大な岩のトンネルで、近年は地震などの影響で高さがだんだん低くなってきたともいわれている。
  • 弥山全図
    江戸時代後期に描かれた絵図で、大聖院の仁王門から弥山に至る当時の様子が詳細に描かれている。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 広島の話』監修:佐々木卓也

【監修者情報】
佐々木卓也(ささき・たくや)

野外歴史地理学研究家。第35回広島文化賞受賞(平成26年度)。昭和29(1954) 年8月1日、広島市佐伯区生まれ。間学苑:時空人論研究所主宰、ひろしま歴史街道トリップ実行委員会座長、広島地名研究会事務局代表、石垣を讃える会代表世話人、棚田学会会員(元監事)、広島市内公民館活動団体指導員、中国新聞文化センター専属講師。広島県立広島観音高等学校卒業、奈良大学文学部地理学科卒業、広島大学大学院文学研究科研究生終了、京都大学教養部人文地理学教室研修員修了。国立呉工業高等専門学校・国立広島商船高等専門学校・国立大島商船高等専門学校・広島修道大学短期大学部講師を歴任。広島県史編纂室第三部会委員・広島市教育委員会調査委員・奈良広島両県町村史編纂委員を歴任。主著『芸備両国の条里遺構』(溪水社)、共著『広島県地名大辞典』(角川書店)、『日本地名基礎辞典』(日本文芸社)、『日本石造文化事典』(朝倉書店)ほか。専門は歴史地理学・地域民俗学・文化人類学・日本地名学ほか。趣味は歴史街道散策・石垣景観探訪・旅行企画策定など。


【書誌情報】
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