昼間は「折れた枝」に変身!? 擬態の名人ガマグチヨタカの正体【鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書】

夜行性の不思議な鳥ヨタカ

夜の覇者のヨタカ

 ヨタカ目の鳥はすべて夜行性で、ニュージーランドを除く世界の熱帯から温帯にかけて98種が知られています。最大の特徴は大きな目と口です。大きな目はわずかな光をとらえることができ、口は目の下まで大きく裂けています。夜空を飛びながら大きく口を開け、飛んでいる昆虫を捕らえて食べます。口の周りには硬いヒゲのような羽毛が生えており、口を広げると捕虫網のような役割を果たします。

 また、夜間に飛ぶ姿がタカのシルエットに似ていることから、「夜に飛ぶタカ」という意味でヨタカと名づけられました。ただし、分類上はタカ類とは遠く離れたなかまです。北アメリカに生息するプアーウィルヨタカは、冬眠をする鳥類として有名で、寒い冬になると岩穴などに入り、体温を下げて冬眠します。

超変わった鳥のアブラヨタカ

 南アメリカ北部の山地に生息するアブラヨタカは、まるでコウモリのような鳥です。昼間は洞窟内で過ごし、夜になると外へ出て、ヤシ科やクスノキ科の植物の実を食べます。夜行性の鳥で、木の実を主食とするのはこの種だけです。

 また、自分が発した音の反響を利用して周囲の状況を把握する、エコーロケーションという能力をもっています。カスタネットのような音を出してエコーロケーションを行い、暗い洞窟の中でも壁やなかまの鳥にぶつかることなく飛び回ることができます。

擬態の名人ガマグチヨタカ

 ガマグチヨタカ目は、東南アジアやインド、オーストラリアにかけて生息する夜行性の鳥で、16 種が知られています。くちばしが鉤状に曲がり、大きな口をもつことから、「ガマ口」にちなんでその名が付けられました。

 ガマグチヨタカ類の一種であるオーストラリアガマグチヨタカは、昼間は木の枝にとまり、じっと動かずに休んでいます。その姿は折れた枝や木のこぶによく似ており、近くで見ても鳥だと気づかないほどです。羽毛の模様や体の色も樹皮にそっくりで、優れた擬態によって捕食者の目をごまかします。

 夜になると活動をはじめ、地上にいる昆虫やネズミ、カエル、トカゲ、カタツムリなどに飛びかかり、大きな口で捕らえて食べます。


【出典】『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』著:柴田佳秀/監修:小宮輝之

【著者紹介】
柴田 佳秀 (しばた・よしひで)
科学ジャーナリスト。1965年生まれ。10歳から野鳥観察をはじめる。東京農業大学卒。自然番組のディレクターとして世界各地の鳥類を取材。2005年からフリーランス。図鑑・書籍の執筆や講演、自然番組の監修などに携わる。著書多数。日本鳥学会会員、都市鳥研究会幹事。
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【監修者紹介】
小宮 輝之 (こみや・てるゆき)
1972年多摩動物公園の飼育係に就職。2004〜2011年まで上野動物園園長。日本動物園水族館協会会長、日本博物館協会副会長を歴任する。2022年から日本鳥類保護連盟会長。環境省トキ野生復帰検討会委員、山階鳥類研究所評議員などを務める。

【書誌情報】
『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』
著:柴田佳秀/監修:小宮輝之


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