飛べないキーウィ、飛べるシギダチョウ! 古い特徴を残す鳥たちの謎【鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書】

【鳥のなかまたち】
世界と日本にくらす多様な鳥たちの個性豊かな姿や生態、

人間との関わりの歴史など、鳥類全体の奥深い魅力を紹介します。


飛べないキーウィと飛べるシギダチョウ

嗅覚が鋭いキーウィ

 キーウィ目の鳥は、今生きている走鳥類の中で最も小さな体をしたグループで、ニュージーランドに5種がくらしています。

 キーウィ類は、世界に約1万1000種いる鳥の中でも、とくに変わった鳥の一つかもしれません。尾羽はなく、翼も数cmほどの痕跡的なものしかないため、空を飛ぶことはできません。森林にすむ夜行性の鳥で、視力はあまり発達していません。そのかわり、くちばしの先端近くに鼻の穴があり、嗅覚が非常に発達しています。長いくちばしを土の中に差し込み、においを頼りにミミズなどの土壌生物を探して食べています。視覚ではなく嗅覚に頼って生活する姿は、ほ乳類によく似ています。

 キーウィ類は、夜になると「キーイ」と響く大きな声で鳴きます。「キーウィ」という名前は、この鳴き声に由来するとされています。

果物のキーウィフルーツは中国原産ですが、ニュージーランドで改良され、商品化されました。そして1959年に海外へ輸出される際、ニュージーランドの国鳥であるキーウィにちなんで、「キーウィフルーツ」と名づけられたのです。

古口蓋類なのに飛べるシギダチョウ

 シギダチョウ目の鳥は、姿はキジのなかまによく似ていますが、上あごの骨の特徴は古口蓋類であり、古い系統を受け継いでいると考えられています。レア類から分かれたなかまという説がありますが、どのように進化してきたのか、詳しいことはまだよくわかっていません。

 中央アメリカから南アメリカにかけての森林や草原に46種が知られています。古口蓋類の中では唯一飛ぶことができるグループで、胸骨には飛ぶための筋肉がつく「竜骨突起」があります。ただし飛ぶ力はあまり強くなく、危険を感じたときに短い距離を飛ぶ程度です。

 ふだんは林床を歩き回り、植物の種子や葉、昆虫などを食べてくらしています。羽色は褐色系の地味なものが多く、落ち葉の中では目立ちにくいため、捕食者から身を守るのに役立っています。

 繁殖形態は、1羽のメスが複数のオスとつがう一妻多夫である種が多く知られています。卵をあたためたり、ヒナの世話をしたりするのは主にオスの役目。ヒナはふ化すると、すぐに歩きはじめます。

【出典】『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』著:柴田佳秀/監修:小宮輝之

【著者紹介】
柴田 佳秀 (しばた・よしひで)
科学ジャーナリスト。1965年生まれ。10歳から野鳥観察をはじめる。東京農業大学卒。自然番組のディレクターとして世界各地の鳥類を取材。2005年からフリーランス。図鑑・書籍の執筆や講演、自然番組の監修などに携わる。著書多数。日本鳥学会会員、都市鳥研究会幹事。
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【監修者紹介】
小宮 輝之 (こみや・てるゆき)
1972年多摩動物公園の飼育係に就職。2004〜2011年まで上野動物園園長。日本動物園水族館協会会長、日本博物館協会副会長を歴任する。2022年から日本鳥類保護連盟会長。環境省トキ野生復帰検討会委員、山階鳥類研究所評議員などを務める。

【書誌情報】
『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』
著:柴田佳秀/監修:小宮輝之


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