タイパが心の消耗を招く?「生産性のない時間」が心を回復させる【感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング】

心に余裕がないのは「入力(インプット)」が多すぎるから
ちょっとした時間にもスマホを取り出し、SNSをチェックするのが習慣になっていませんか。
「入力(インプット)」の多い生活が続くと、知らず知らずのうちに、心に闇や影を溜めていることも。
その存在に気づき、外に出すことが大切なあなたの心を守ります。
効率性を追い求めすぎていませんか?
「信号待ちのわずか1分間、あなたは何をしていますか?」
そう問われたとき、やはり多くの人が無意識のうちにポケットからスマホを取り出し、画面をスクロールしている自分の姿を思い浮かべるのではないでしょうか。
現代に生きる私たちには、「何もしていない時間は無駄」という強迫観念が根づいています。これが「タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)」の罠。タイパを求めるほど、感情や感覚の処理に必要な時間が削られ、感情や感覚は置き去りになってしまいます。
動画を倍速視聴し、映画の結末を先に検索してハズレを回避し、移動中にオーディオブックを聴きながらメールを返信する……限られた時間の中で、いかに多くの情報をインプットし、いかに多くのタスクをこなすかということに価値があるという考え方が広がっています。私たちはまるで人生という時間を秒単位で切り売りし、その対価として「効率」という名の成果を求めているかのようです。
しかし、そのように徹底的に無駄を排除し、効率を追求し続けた結果、あなたの心と体は今、疲れ切っていないでしょうか? むしろ、「常に何かに追われているような気がする」「どれだけやっても終わった気がしない」という、慢性的な焦燥感に苛まれてはいないでしょうか。
時間を効率的に使うこと自体は、決して悪いことではありません。しかし、問題なのは、効率性を重視するあまり、私たちの脳と心と体がそのスピードについていけなくなっていることです。
生産性のない時間が心を回復させる
人間の脳は、情報の処理には長けていても、感情の処理には時間がかかります。第1章でお話ししたような「未消化のトラウマ」や「抑圧された本音」は、何年もかけて溜まったものなので、それらを解きほぐすには相応の時間が必要なのです。美しい夕焼けを見て「きれいだな」と感じる余韻、悲しい出来事があったときに静かに心を痛める時間、あるいは、ただぼんやりと雨音を聞きながら「無」になるひととき。こうした「非効率」で「生産性のない時間」こそが、実は私たちの心を回復させるためには不可欠なのです。
それなのに、私たちはその大切な余白を、スマホから流れてくる情報や、次々に現れタスクで埋め尽くしてしまっています。脳は常にフル回転で情報を処理し続けていますが、心と体は意識されず、置き去りにされたまま。その結果、自分でも気づかないうちにエネルギー不足や枯渇を起こし、ガス欠の車のようにパワーが出なくなったり、突然動かなくなったりするのです。
もしあなたが、ちょっとした待ち時間にスマホを見ないと不安になるとしたら、それは心が静寂を恐れているサインです。静寂が訪れると、抑え込んでいた疲れや、見ないようにしていた本音が顔を出そうとするからです。スマホを見る行為は、それらと向き合うことから逃れるための、一種の鎮痛剤になっている可能性があります。
効率という物差しを手放すのは少し勇気がいるかもしれません。しかし、心の回復には非効率な時間が欠かせないのです。
POINT
効率性を求め続けることも心の消耗に。
何もしない時間を楽しんで心を回復させよう。
【出典】『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』著:長沼睦雄
【著者紹介】
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14 年間児童精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28 年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」をつなぐ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』(共に永岡書店)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10 代のための疲れた心がラクになる本』(共に誠文堂新光社)、『その、しんどさは「季節ブルー」』(日本文芸社)など著書多数。
【書誌情報】
『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』
著:長沼睦雄
「しっかり休んでいるつもりなのに、疲れがとれない。」
「小さなことですぐに落ちこんでしまう。」
「頑張っているのに、空回りして上手くいかない」
そんな状態が続くとき、私たちはつい「もっと休まなきゃ」「前向きにならなきゃ」と自分を励まそうとします。
けれど、それでもラクにならないのはなぜでしょうか。
もしかしたら、その原因は、心の奥にしまい込んできた〈闇〉や〈影〉――
つまり、ふたをしてきた本音や感情にあるかもしれません。
怒り、悲しみ、不安、嫉妬、あきらめ。
感じてはいけないと思ってきた感情ほど、気づかないうちに心のエネルギーを消耗させていくのです。
そんなときに役立つのが、感情を紙に書き出す「ジャーナリング」。
誰にも見せないノートに、評価も正解も求めず、ただ今の気持ちを書いていくことで、心の奥に溜まったものが少しずつ流れ出し、不思議なほど心と体が軽くなっていきます。
本音を出すだけで、心は回復する。
ジャーナリングは、つい頑張りすぎてしまう人のための、
「書いて、出して、軽くなる」
感情デトックスというセルフケアです。
初めての方でも大丈夫。
この本は、「整えようとしない」「頑張らなくてもいい」、やさしいスモールステップで構成されています。
常時接続の現代だからこそ、自分とだけつながる時間を大切にすることで理由のわからないつらさが消え、他人の声に振り回されなくなります。
疲れきった毎日から抜け出し、本来の自分に戻るための1冊です。
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