ジャケットは着なくても持つべき?一流の大人が実践する身嗜みのルール【究極の私服/干場義雅】

※記事は書籍発刊当時の情報を掲載しています。現在の店名、商品名とは違っていることがありますことご了承ください。

TPPOを考えてコーディネートする

 ネイビージャケットを着こなすには、TPPO、つまり「いつ」、「どこに」、「誰と」、「何のために」を考えることが大切です。相手が妻や家族、彼女なのか、それとも会社の上司やクライアントなのか、そういうことが非常に大切な領域です。ですから、ネイビージャケットでお洒落をする前に、TPPOという基本的なことを知らないのは絶対にダメということ。それを知らずに、お洒落なんて言っている場合ではないのです。

 例えば、休日にイタリアンレストランに行くとします。レストランに行くということは必ずジャケットは着用です。ネイビージャケットなら申し分なく、誰からも文句を言われません。大事なお客さまと会うならネクタイをします。逆に妻や彼女など距離の近い人となら、ネクタイは緊張感を与えるので、しなくてもいいでしょう。ご飯に行きましょうと言って、当日にネクタイ姿で待ち合わせ場所に来られたら、女性は少しびっくりすることもあると思うのです。

 ネクタイといえば、こんな話があります。本の冒頭でもお話しした、イタリア人のフランコ・ミヌッチさんの話です。タイ・ユア・タイというショップのオーナーだった方で、シックなお洒落がとても素敵な紳士です。派手派手しい印象は全くなく、とにかく上品な方です。彼に教えてもらったことがあります。イタリア出張に行った時、美味しいお店に連れて行ってもらいました。彼はネイビージャケットを着てネクタイをしていましたが、なぜかポケットチーフをしていなかったのです。それにはこんな理由がありました。ご飯を食べ、スプマンテというイタリアの発泡性ワインを飲む段になると、適当に「もういいか」といっていきなりネクタイをはずし、シャツの胸ボタンを2つ開けて、そのネクタイをジャケットの胸ポケットにさっと畳んで入れたのです。「なんで急にネクタイをはずしたんですか?」と聞いたら、「ネクタイをしてたら人を緊張させてしまうでしょう。自分もリラックスできないし、見ている人もリラックスできない。だからレストランに行ったとき、私はネクタイをなるべく失礼のない程度にはずすんだよ」と。

 理由がある、その素敵な仕草やスタイルを見て、それ以来、真似するようになりました。だから僕は休日にレストランに行く場合、ネイビージャケットにネクタイをしていたとしても、タイミングを見計らってはずすのです。

 レストランのグレードにもよりますが、本当に高級なところだったら、いくらネイビージャケットを着ていてもジーンズはNGです。ある海外の船上レストランで、18時以降にジャケット&ジーンズ姿で行ったことがありました。僕の中では、ドレスコードの「エレガントカジュアル」を守ったつもりのスタイルでしたが、それでも「お客様、18時以降はジーンズはダメなので着替えてきて頂けますでしょうか」といわれたことがあります。もともと、ジーンズは労働着。僕はその船旅で「18時以降にレストランに行く場合、ネイビージャケットを着ていても、ジーンズは駄目なんだ」と学んだのです。それ以来グレードの高いレストランでは、グレーのパンツを合わせるようにしています。

 気のおけない人と会うときには、シャツ1枚のスタイルで行っても、ネイビージャケットは一応手に持っていく。それが大人のカジュアルスタイルには大事なことだと思うのです。着なくてもいいから、必ず持っている。着るシーンが出てくるかもしれないからということを、想定しておくことが大切なのです。

 とにかくカジュアルスタイルでも、ネイビージャケットはマストハブ。絶対持っていなくてはならないアイテムなのです。どんなスタイルでも適応し、汎用性が高い上に、エレガントなカジュアルスタイルに見せてくれるからです。グローバルスタンダードの視点から考えても、ネイビージャケットの必要性はとても高いもの。世界のどこに行っても通用し、恥をかくこともないからです。

 【出典】『究極の私服』著:干場義雅

【書誌情報】
『究極の私服』
著:干場義雅


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テレビでも人気のファッションディレクターであり、
ウェブマガジン『FORZA STYLE』編集長の著者が大人のカジュアルの絶対法則を解説!

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