がん細胞は、実は誰でも毎日生まれている!? でも、がんにならない理由【教養としてのリンパと血管】

がん細胞は毎日生まれている

本来は毎日退治して、排出できる

 人間の体を構成している37兆個もの細胞は、毎日新しくつくられ、毎日入れ替わっています。細胞が分裂するときには、設計図であるDNAをコピーしながら増えていきます。しかし、どれほど精密なコピー機であっても、コピーミスは起こりえます。人間の体も同じで、毎日大量にコピーする中で、正常とは少し違う細胞、いわゆる「異常細胞」が生まれることがあります。「そんなに毎日異常細胞ができるなら、誰もがすぐにがんになってしまうのでは?」と思うかもしれません。

 しかし、異常が起きた細胞が、そのまま「がん」になるわけではありません。なぜなら私たちの体には、こうした異常を修復したり、異常な細胞を見つけて処理したりする、何重もの防御システムが備わっているからです。異常細胞が生まれると、まず体内を巡回している免疫細胞が、それを見つけ出します。

 それが、「5レンジャー」のパトロール部隊です。24時間体制で監視し、体内の異常に目を光らせています。

 そのパトロール部隊の中でも、特に頼もしいのが、“生まれつきの殺し屋” の異名をもつ、「NK(ナチュラルキラー)細胞」です。NK細胞は、異常な細胞やウイルスに感染した細胞を見つけると、誰からの指示を待つこともなく、直接攻撃して破壊します。まさに名前の通り、生まれつき備わっている“天性のキラー(殺し屋)”のような存在です。さらに、マクロファージも活躍します。マクロファージは、いわば体内の優秀な「お掃除屋」。死んだ細胞や細胞の残骸などを取り込み、処理してくれます。

 つまり、NK細胞が異常細胞を倒し、マクロファージが後片づけをする。そんな見事な役割分担が、私たちの知らないところで毎日行われているのです。

 しかし、私たちの体の仕組みはこれだけでは終わりません。現場に残った異常細胞の断片や老廃物は、次に「リンパ管」へと回収されていきます。リンパは単なる余分な水の排水路ではありません。細胞の周囲にある不要なものを回収し、体をきれいに保つ「浄化システム」でもあります。回収された老廃物は、リンパ管を通って「リンパ節」へと運ばれます。リンパ節は、いわば全国に張り巡らされた、体の「関所」です。体の隅々から流れてきたものに不審なものが混ざっていないかをここで厳しくチェックしています。もし、そこでも異常な細胞や病原体が見つかれば、リンパ節内にいる免疫細胞たちが、すかさず対処して食い止めてくれるのです。

【出典】『教養としてのリンパと血管』著:加藤雅俊

【著者紹介】
加藤雅俊(かとう・まさとし)
薬剤師・血液研究者・体内環境師®・作家
ミッツ・エンタープライズ(株)代表取締役社長/ JHT日本ホリスティックセラピー協会会長/
JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長
ロシュの研究所に勤務し、血液を中心とした生化学検査の研究開発に携わる。その後、健康を考えるには「届ける血液」だけでなく、「回収し、守るリンパ」の働きも欠かせないことに着目。さらに免疫、代謝、睡眠、腸などへと研究・探究を広げ、体全体を一つのつながりとして捉える「体内環境」という考え方を体系化。薬だけに頼るのではなく、食事、運動、心のケアなど多方面から体を整える「ホリスティック医療」を日本でいち早く提唱。病気になってから治すだけではなく、病気になる前に自分の体を知り、健康な体をつくる「予防医療」の大切さを伝えている。
著書に『10秒伸ばすだけですべて解決する!血流リンパストレッチ』(西東社)、『眠れなくなるほど面白い図解デトックスの話』(日本文芸社)、『1日3分!血圧と血糖値を下げたいなら血管を鍛えなさい』(講談社)など多数。著書累計275万部を超える。

著者・加藤雅俊氏が『教養としてのリンパと血管』で伝えたいこと

今、あなたの体で本当は何が起きているのでしょうか。

健康診断で、基準より少し高い数値が出ただけで、
「注意が必要です」 といわれ、不安になる。

一方で、
風邪をひきやすい、疲れが取れない、むくむ、太りやすい、冷える
そんな不調が続いているのに、「検査では異常ありません」 といわれる。

「数値」と「体の状態」が一致しない。
この矛盾に、疑問を感じたことはありませんか?

健康か、健康じゃないかを決めるのは、
病院でも、数値でもなくあなた自身です。

あなたの体には、薬や医療よりも先に働く
「体を守る仕組み」があります。

私は長年、血液や血管を研究し、
リンパについても探究してきました。

そこで、ある疑問を持つようになりました。
「なぜ、血流はこれほど語られているのに、リンパはあまり知られていないのだろう」

リンパは、がんや認知症、ウイルスなど、命に関わる病気からも守ってくれる人間でもっとも重要な器官であるにも関わらず、医大でも詳細には教えてはくれません。

しかし、だからこそ知っておくことで、今後の健康を考えるうえで必ず役立つ知識といえるのです。
では、「人間を守る力」とは具体的に何でしょうか。

それは『血管・血液』と『リンパ』が生み出す
『命を巡らせ、守る力』です。

人間の体は、絶えず全体を循環させることで生命と健康を保っています。

体の隅々まで栄養を届ける『血管・血液』。
そして、不要なものを回収する『リンパ』。
この2つの「流れ」があって、私たちの体は守られています。

美容やマッサージのイメージが強く、意外と知られていませんが、
実はリンパの本当の姿は、免疫細胞たちが24時間体制で異物から体を守る
「人間に元々備わっている最強の防御システム」
そのものなのです。

リンパが正しく働くことは、
体を守り、一生の健康を支える力になります。

血管・血液が、必要なものを届けて命を支えるものなら、リンパは、不要なものを回収しながら体を守るもの。

あなたの体を支える、この2つの「流れ」は、十分に働いているでしょうか?
運動不足、睡眠不足、ストレス、
食べているのに必要な栄養が足りていない食生活、
座りっぱなしの生活などで、
この2つの流れを滞らせていませんか?

ですが、大丈夫。
何も、今の生活を変える必要はありません。

ほんの少し、生活を見直すことで、
本来備わっている力は、より発揮されやすくなります。

血液とリンパ、2つの「流れ」が体を支える仕組みを知り、
ぜひこれからの人生や、病気になったときの治療や方向性の選択肢としても役立ててください。

人生100年時代ともいわれる今、
病気になってから治療するのではなく、病気にならない体を育てる。
そんな薬に頼らない健康づくりが、当たり前の時代になってほしいと願っています。

それが、長年医療と健康に携わってきた私の願いです。
本書が、自分にとっての『健康とは何か』を考える一助になれば幸いです。

『教養としてのリンパと血管』2〜6P「はじめに」より引用


【書誌情報】
『教養としてのリンパと血管』
著:加藤雅俊


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薬に頼らず”人間本来の防御システム”を引き出せる!

ガン、認知症、免疫力にも深く関わる、『リンパ×血管』の仕組みと役割、
さらに日常でできる活性化の方法まで徹底解剖!

『リンパ』という言葉は聞いたことがあっても、詳しくどういう仕組みかを説明できる人は少ないのではないでしょうか?

実は、医学部でも人体構造などで触れはしますが、その役割や働き、免疫との関係など、リンパだけをまとめて詳しく学ぶということはあまりありません。

一般的な印象としては、リンパドレナージュなどの美容としてのマッサージや、ガンになった時に「リンパ節に転移する」というような印象ではないでしょうか。

しかし、そんなリンパと血管(血液)には相関関係があり、体の中でガンやウィルスなど命に関わる病気を日々防ぎ、健康状態を保つのに欠かせない役割を果たしています。

そもそもリンパとは、全身の血管にぐるぐると巻きついており、体の中に異物が入ることを防ぐ役割をしています。

人間を構成する全身の細胞に対して『血管・血液』が栄養を運んでいますが、その細胞そのものをさまざまな病気から守る、それがリンパの本来の役割なのです。

つまり、リンパを知り、リンパ本来の力を取り戻すことで、全身の細胞ひとつひとつがよみがえり、あらゆる病に対しての完全防御システムになります。

「血液の数値だけでは健康はわからない」
「誰でも1日約5000個自然発生するガン細胞は、リンパの活躍で死滅する」
「なぜリンパ節のガンは取っていいの?」
「リンパの中でも重要な5大リンパってなに?」

など、一生役立ち、さらに誰も知らない新しい健康知識が満載です。

人生100年時代と言われる昨今、薬に頼らず一生健康でいたい、
さらに健康知識を深めたい、という人にはぜひ読んで頂きたい一冊です。

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