体は疲れても脳は覚醒!夜のスマホ利用が子どもの睡眠の質を下げるメカニズムと対策【一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん】

なぜ子どもは疲れているのに眠れないのか?

 こんなに疲れているのに、なぜ寝ないの?」そう感じる親御さんは少なくありません。しかし、疲れていることと眠れることは別問題。眠るためには、自律神経が「休息モード」(副交換神経優位)に切り替わる必要があります

 近年、スマートフォンやタブレットの普及によって、子どもの睡眠環境は大きく変わりました。寝る直前までスマホを使う小・中学生も多く、睡眠不足を感じている子どもは半数を超えるという報告もあります。さらに、1日2時間以上のスクリーン使用は、睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下と関連することが示されています。

 特に問題なのは、夜になっても「脳が休めない環境」が続いてしまうことです。スマホやタブレットの強い光は脳を覚醒状態に保ちます。さらにSNSによって、夜中でも友だちの投稿や有名人の情報、動画やゲームにと、次々にアクセスできる時代になりました。昔は夜になれば自然と情報が遮断されていましたが、今は脳が常に刺激を受け続けています。その結果、「体は疲れているのに、興味や感情が喚起され続け、脳だけが覚醒している」状態が起こります。さらに夜遅い食事や不規則な生活リズムも重なることで、「活動・緊張モード(交感神経優位)」のままで深い睡眠に入りにくくなります

 子どもが眠れないのは、意思が弱いからではありません。眠れる環境が整っていないだけなのです。そして、これこそが現代の子どもたちが疲れやすくなっている大きな理由のひとつでもあるのです

眠れる体は習慣化でつくる

まだ寝たくないと思う日があっても、体内リズムが整っていれば、自然とベッドに向かい、自然と眠気が訪れるようになります。疲れにくい体をつくるためには、毎日我慢し続けるよりも、「自然にできる状態」を習慣として定着させるほうが、ずっとうまくいくのです。睡眠は気合いではなく、環境で決まります。

眠れる環境とは?

寝室はできるだけ暗くする

遮光カーテンなどを利用して真っ暗な部屋にする。就寝1時間前は強い光・スマホの使用を避ける。光は脳に「まだ昼」と誤認させる最大の要因となる。

(2)室温・湿度を最適化する

室温:18~22℃、湿度:50~60%が寝るために快適な環境。暑すぎ・寒すぎは深い睡眠を削ってしまう。

(3)寝具を体に合ったものにする

枕は、横を向いて寝たときに首がまっすぐに保たれる高さが最適。マットレスが柔らかすぎないか・硬すぎないかチェックを。合っていないと寝返りが増加してしまい、浅い睡眠につながってしまう。

(4)静かな環境を整える

できるだけ静かな環境にする。空気清浄機の運転音など、一定の小さな音量のノイズであれば問題はない。突発的な音(ドアを閉める音・テレビの音)は避けるようにする。

(5)「寝る専用の空間」にする

ベッドでゲーム・勉強をしないこと。寝室は「寝る専用の場所」として脳に覚えさせる。入眠までの時間と睡眠の質が明確に変わる。


【出典】『一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん』著:沼倉裕堅 / 監修:藤原朋未 / イラスト:カヤヒロヤ

【著者紹介】
沼倉裕堅(ぬまくら・ひろかた)
医師、SBC 整形外科クリニック 西新宿本院 院長。東北大学医学部卒業。湘南藤沢徳洲会病院にて研修中、「仮骨延長法」に出会い、身長治療の道を志す。スカイ整形外科クリニックで整形外科医として経験を積んだ後、SBCメディカルグループに参画。現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、成長期のお子さんや、将来を案ずる保護者と向き合い、「のびのび先生」の愛称でも親しまれている。体の成長に悩むすべての方に対し、最適な選択肢を提示する医療を信条とする。専門分野は身長治療および整形外科一般。

【書誌情報】
『一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん』
著:沼倉裕堅 / 監修:藤原朋未


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