感覚への敏感さや鈍感が不安の原因に!子どもの「内的感覚」を育てる重要性【「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論】

自分の「内側の感覚」を育てる
服のチクチク感がとても気になる、誰かの大きな話し声をとても不快に感じる……。このような感覚刺激を感じやすい子どもは、不安になりやすい傾向があるという見方もあります。一方で刺激が足りないと感じ、強い感覚を求める子どもも、落ち着かず不安になることがあります。それはなぜでしょうか。
感覚情報に対して困りやすいということは、セプションたちが敏感もしくは鈍感になり、正確な情報を集めにくくなっているということです。すると、リーダーであるニューロセプションは安全か危険かを判断しづらくなり、安全でも危険、危険でも安全と判断してしまい、子どもが不安になりやすくなるのです。

内的感覚が育つと、ニューロセプションが安全か危険かを正しく判断できるようになり、子どもも「不安ぐせ」とうまくつき合うコツを見つけられるかも。
ワークで子どもの感覚を育てる
セプションたちを洗練させるためには、子どもの「内的感覚」を育てることが大切です。内的感覚とは、心拍や呼吸などの体の内部の状態を感じ取るとインテロセプション(内受容感覚)と、怒りや喜びといった情動などの気づきを含めた感覚のこと。内的感覚が育っていると、「胸がドキドキしている」「おなかがすいた」といった体のなかの変化や、「今すごくイライラしている」「とても悲しい」といった気持ちの変化に、きちんと気づくことができます。すると、「どんな不安やつらさもずっと続くわけじゃない」という感覚が育っていき、「この状態は変わっていくものだ」という先に見通し(予測性)も育ちやすくなるので、不安に飲みこまれにくくなります。
感覚を磨くには全身を使った遊びが効果的ですが、最近は子どもが屋外で遊ぶ機会が減り、はだしで地面を踏みしめる、砂場で遊ぶ、友達と木に登るなどの経験は少なくなってきているかもしれません。こうした経験に代わり、いつでも簡単に感覚を育てられる方法が、本書の第3章から紹介しているワークです。親子でできるワークは、協働調整によって子どもの腹側迷走神経を育てることもできます。
もうひとつ、子どもが「暑いね」「おいしいね」など感覚を口にしたときに、おとなが「そうだね」「本当においしいよね」とリアクションすることも大切です。おとなが子どもの感覚に同調することで、子どもは「この感覚で合っているんだ」と手ごたえを感じ、そのたびに感覚も磨かれていきます。
【出典】『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』著:浅井咲子 / イラスト:なか
【著者紹介】
浅井 咲子
公認心理師、神経セラピスト。立教大学卒業後、外務省在外公館派遣員として在英国日本国大使館勤務。その後、米国ジョン・F・ケネディ大学院にて、カウンセリング心理学の修士課程(身体心理学専攻)を修了。オークランドの地域カウンセリングセンターにて研修を行う。帰国後、教育センターや企業内で相談員として勤務。2008 年、セラピールーム「アート・オブ・セラピー」を設立し、自己調整とレジリエンスのある生活を提案し続けている。
著書に『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめるポリヴェーガル理論』(日本文芸社)、『不安・イライラがスッと消え去る「安心のタネ」の育て方』(大和出版)、『「今ここ」神経系エクササイズ』『「いごこち」神経系アプローチ』(梨の木舎)、翻訳書に『子どものトラウマ・セラピー』『トラウマによる解離からの回復』(国書刊行会)、『レジリエンスを育む』『発達性トラウマ治癒のための実践ガイド』(岩崎学術出版社)など。
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ブログ: https://ameblo.jp/artoftherapy/
HP「ART of therapy」: https://assakijp.wixsite.com/artoftherapy/profile
【書誌情報】
『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』
著:浅井咲子 / イラスト:なか
3つの自律神経を味方につけて
〈不安ぐせ〉を〈安心習慣〉に変える!
いつも不安にふりまわされて、
シクシク、くよくよ、イライラ……
「うちの子、もしかして不安になりやすい?」
「人より繊細なのかな?」と思ったら
ぜひ本書の「ポリヴェーガル理論」にもとづくワークを試してみてください。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士が提唱した神経理論で、
自律神経を「交感神経」と「2つの副交感神経(背側迷走神経・腹側迷走神経)」の3つとして捉えます。
・人の表情や声色、変化によく気がつく
・大事なイベントの前にネガティブなイメージをしがち
・登園時、登校時はこれから過ごす時間を考えて泣いてしまう
・にぎやかな人の近くにいると、いつもイライラ
こうした「不安ぐせ」は性格から生まれるものではなく、
心と体を守ろうとする安全システムが働くことで生まれるもの。
本書では、ポリヴェーガル理論にもとづき、
子どもの「不安ぐせ」のしくみをやさしく解説しながら、
親子でできるシンプルなワークを紹介します。
不安やストレスを感じても
「わたしは大丈夫」「なんとかなる」と思える力――“レジリエンス”を、子どもと一緒に育てていきます。
がんばって変えようとしなくて大丈夫。
安心は、親子の関わりのなかで、少しずつ育っていきます。
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