イライラや無気力は自律神経のSOS!子どもの行動に影響する「3つのゾーン」とは?【「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論】

自律神経がもたらす3つのゾーン
いつもソワソワ、イライラ、シクシクしがちだったり、かんしゃくを起こしたり……。子どもがこんな様子を見せるのは、交感神経が働きすぎている証拠かもしれません。こうした状態を「過覚醒ゾーン」と呼びます。
交感神経の働きが高まると、本来は副交感神経がほどよくブレーキをかけてくれますが、それがうまくいかないときは2つの副交感神経のうち、背側迷走神経が急ブレーキをかけて、強制的に心身をシャットダウンします。これが「低覚醒ゾーン」にいる状態で、子どもは無表情・無気力になり、動けなくなることもあります。
3つのゾーンと耐性領域

自律神経がもたらす3つのゾーンを示した図。「過覚醒ゾーン」は交感神経が働きすぎている状態、「低覚醒ゾーン」は背側迷走神経が働きすぎている状態です。「安心ゾーン(耐性領域)」はおもに腹側迷走神経が働いている状態で、このゾーンが広いほど、不安や緊張に対する耐性も高くなります。
過覚醒ゾーンと低覚醒ゾーンの間にあるのが「安心ゾーン」。これは、おもに腹側迷走神経のおだやかなブレーキが働いて、落ち着いていながらも元気な状態です。
安心ゾーンは「耐性領域」とも呼ばれます。「耐性」とはストレスに耐える力のことで、このゾーンの広さには個人差があります。耐性領域が広いほど、ストレスがかかっても「今は不安だけどだいじょうぶ」「また、安心できる場所へ戻れるんだ」とやり過ごすことができます。
不安になりやすい子どもは、過覚醒ゾーンと低覚醒ゾーンのいずれかにいるか、両方をジェットコースターのように行き来する傾向にあります。とくに、過覚醒ゾーンにいるときはとてもエネルギーを使いますから、子どもは心も体も疲れきってしまうかもしれません。
そこで重要になるのが、「神経基盤」を育てて、耐性領域を広げることです。
【出典】『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』著:浅井咲子 / イラスト:なか
【著者紹介】
浅井 咲子
公認心理師、神経セラピスト。立教大学卒業後、外務省在外公館派遣員として在英国日本国大使館勤務。その後、米国ジョン・F・ケネディ大学院にて、カウンセリング心理学の修士課程(身体心理学専攻)を修了。オークランドの地域カウンセリングセンターにて研修を行う。帰国後、教育センターや企業内で相談員として勤務。2008 年、セラピールーム「アート・オブ・セラピー」を設立し、自己調整とレジリエンスのある生活を提案し続けている。
著書に『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめるポリヴェーガル理論』(日本文芸社)、『不安・イライラがスッと消え去る「安心のタネ」の育て方』(大和出版)、『「今ここ」神経系エクササイズ』『「いごこち」神経系アプローチ』(梨の木舎)、翻訳書に『子どものトラウマ・セラピー』『トラウマによる解離からの回復』(国書刊行会)、『レジリエンスを育む』『発達性トラウマ治癒のための実践ガイド』(岩崎学術出版社)など。
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ブログ: https://ameblo.jp/artoftherapy/
HP「ART of therapy」: https://assakijp.wixsite.com/artoftherapy/profile
【書誌情報】
『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』
著:浅井咲子 / イラスト:なか
3つの自律神経を味方につけて
〈不安ぐせ〉を〈安心習慣〉に変える!
いつも不安にふりまわされて、
シクシク、くよくよ、イライラ……
「うちの子、もしかして不安になりやすい?」
「人より繊細なのかな?」と思ったら
ぜひ本書の「ポリヴェーガル理論」にもとづくワークを試してみてください。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士が提唱した神経理論で、
自律神経を「交感神経」と「2つの副交感神経(背側迷走神経・腹側迷走神経)」の3つとして捉えます。
・人の表情や声色、変化によく気がつく
・大事なイベントの前にネガティブなイメージをしがち
・登園時、登校時はこれから過ごす時間を考えて泣いてしまう
・にぎやかな人の近くにいると、いつもイライラ
こうした「不安ぐせ」は性格から生まれるものではなく、
心と体を守ろうとする安全システムが働くことで生まれるもの。
本書では、ポリヴェーガル理論にもとづき、
子どもの「不安ぐせ」のしくみをやさしく解説しながら、
親子でできるシンプルなワークを紹介します。
不安やストレスを感じても
「わたしは大丈夫」「なんとかなる」と思える力――“レジリエンス”を、子どもと一緒に育てていきます。
がんばって変えようとしなくて大丈夫。
安心は、親子の関わりのなかで、少しずつ育っていきます。
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