子どもの「乗り越える力」を育てる!副交感神経を鍛えてストレスに勝つ自己調整力の高め方【「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論】

副交感神経を育てて「乗り越える力」を育む

 協働調整を重ね、ワークで神経系にほどよく働きかけることで、自律神経は柔軟になっていきます。そして、未発達だった腹側迷走神経は育ち、ニューロセプションが洗練されていきます。これを繰り返すことで、子どもの自己調整力がアップします。

自己調整力がアップすると、子どもにはこんなよい循環が生まれます。

「ちょっと怖いけどやってみよう」
「思ったよりもだいじょうぶだった」
「疲れたから少し休もう」
「次はもうちょっと先までやってみよう」

 この循環によって耐性領域が広がると、子どもがこれまでストレスに感じていたチャレンジは、「ドキドキするけど楽しいチャレンジ」へと変わっていきます。そして、チャレンジに失敗したときも、「次はできるかもしれない。だいじょうぶだ」と思えるようになります。これが「乗り越える力」です。

「予測性」と「選択性」が子どもに安心をもたらす

 「乗り越える力」を支えるのが、自己調整力アップによって身につく①「予測性」と②「選択性」です。ちょっと難しい言葉ですね。

①予測性

 予測性とは、「今は不安だったりイライラしたりしているけれど、また落ち着いた気分に戻れるんだ」という、自分のなかの見通しのこと。子どもが神経基盤から外れそうになったとき、予測性は神経基盤に戻りたいときの心強いお守りとなります。

②選択性

 選択性とは、「今はひとりがいいな」「今は誰かといたいな」などの選択ができること。選択性が身につくと、子どもはイライラしたり落ちこんだりしたときに、「今イライラしているから、お母さんに充電のぎゅーのワークをやってもらおう」など、身近な誰かに協働調整を求めることができるようになるでしょう。

 選択性のおもしろいところは、幼いうちは自分で選んだことを意識していなかったという点です。ひとり遊んだり本を読んだりしていても、「今はひとりがいいな」と意識しているわけではありません。意識的に選択するようになるのは、だいたい9歳前後からと考えられています。

 自己調整力による予測性、選択性を身につけると、ストレスを自分の成長の糧にできるようになります。

 新たな経験を「ワクワクドキドキの挑戦」と思えるようになるのです。

 子どもは誰しも、未知の可能性を秘めています。協働調整とワークで子どもの「乗り越える力」を育むことで、これまでは怖くて開けられなかった扉を、自分の手で開けられるようになることでしょう。

よい循環が「乗り越える力」、レジリエンスを育む

イラスト:なか

「不安ぐせ」とうまくつき合っていくためにも、協働調整やワークを重ねてよい循環をつくり、「乗り越える力」を育んでいきましょう。

イラスト:なか

【出典】『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』著:浅井咲子 / イラスト:なか

【著者紹介】
浅井 咲子
公認心理師、神経セラピスト。立教大学卒業後、外務省在外公館派遣員として在英国日本国大使館勤務。その後、米国ジョン・F・ケネディ大学院にて、カウンセリング心理学の修士課程(身体心理学専攻)を修了。オークランドの地域カウンセリングセンターにて研修を行う。帰国後、教育センターや企業内で相談員として勤務。2008 年、セラピールーム「アート・オブ・セラピー」を設立し、自己調整とレジリエンスのある生活を提案し続けている。
著書に『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめるポリヴェーガル理論』(日本文芸社)、『不安・イライラがスッと消え去る「安心のタネ」の育て方』(大和出版)、『「今ここ」神経系エクササイズ』『「いごこち」神経系アプローチ』(梨の木舎)、翻訳書に『子どものトラウマ・セラピー』『トラウマによる解離からの回復』(国書刊行会)、『レジリエンスを育む』『発達性トラウマ治癒のための実践ガイド』(岩崎学術出版社)など。
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ブログ: https://ameblo.jp/artoftherapy/
HP「ART of therapy」: https://assakijp.wixsite.com/artoftherapy/profile

【書誌情報】
『「不安ぐせ」のある子と「だいじょうぶ」を育む ポリヴェーガル理論』
著:浅井咲子 / イラスト:なか


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3つの自律神経を味方につけて
〈不安ぐせ〉を〈安心習慣〉に変える!

いつも不安にふりまわされて、
シクシク、くよくよ、イライラ……
「うちの子、もしかして不安になりやすい?」
「人より繊細なのかな?」と思ったら
ぜひ本書の「ポリヴェーガル理論」にもとづくワークを試してみてください。

ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士が提唱した神経理論で、
自律神経を「交感神経」と「2つの副交感神経(背側迷走神経・腹側迷走神経)」の3つとして捉えます。

・人の表情や声色、変化によく気がつく
・大事なイベントの前にネガティブなイメージをしがち
・登園時、登校時はこれから過ごす時間を考えて泣いてしまう
・にぎやかな人の近くにいると、いつもイライラ
こうした「不安ぐせ」は性格から生まれるものではなく、
心と体を守ろうとする安全システムが働くことで生まれるもの。

本書では、ポリヴェーガル理論にもとづき、
子どもの「不安ぐせ」のしくみをやさしく解説しながら、
親子でできるシンプルなワークを紹介します。

不安やストレスを感じても
「わたしは大丈夫」「なんとかなる」と思える力――“レジリエンス”を、子どもと一緒に育てていきます。
がんばって変えようとしなくて大丈夫。
安心は、親子の関わりのなかで、少しずつ育っていきます。

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