巨大植物ウェルウィッチアとタスマニアデビル!奇妙な生態系を持つ2つの世界遺産【眠れなくなるほど面白い 図解 世界遺産】

世にも奇妙な動植物がいる世界遺産

【ナミブ砂漠】奇想天外な植物が育つ砂漠

 「ナミブ砂漠」は、アフリカ南西部ナミビアの大西洋岸沿いに広がる、約1900kmにも及ぶ世界最古の砂漠です。世界でも希少な海岸砂漠で、錆びた鉄のように赤く見えるのは、海からの風に押し返される砂に空気中の鉄分が付着し、酸化して赤く染まるためです。

 ナミブはサン族の言葉で「何もない」という意味ですが、この地でたくましく生きる動植物がいます。そのひとつが、「キソウテンガイ」の和名で知られるウェルウィッチアです。

 一対の葉を伸ばし続けながら垂直に深く根を下ろし、地下の水分を吸い上げて生きます。大きいものは直径4m以上にもなり、過酷な環境で生き抜くための工夫が、その姿に凝縮されています。

ナミブ砂漠には固有種の無脊椎動物や8種類の爬虫類など、多様な生物が生息。海からの霧を吸収したり夜に活動したりと工夫しながら生きている。

【タスマニア原生地帯】かわいい悪魔の生息地

 オーストラリア大陸の南にあるタスマニア島は、かつてはオーストラリア 本土と陸続きでしたが、約2万1000年前に海面上昇により海峡で隔てられました。島内には、原生的な姿を保つ植物や、隔絶された環境の中で独自の進化を遂げた動物が見られます。

 代表的な固有種がタスマニアデビルです。世界最大の肉食有袋類で、鋭い歯と強靭な顎で、獲物の骨までかみ砕きます。繁殖では一度に20~40匹が生まれますが、母親の乳首は4つしかなく、たどり着けた4匹だけが育つという厳しい生存競争が待っています。

 近年は交通事故に加え、90年代以降に広がった伝染性のガンによって個体数が激減し、絶滅危惧種に指定されています。

最初に入植したヨーロッパ人が、茂みから響く不気味な鳴き声に「悪魔が隠れている」と想像したことから「デビル」の名が付いたそう。


【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界遺産』監修:宮澤 光

【監修者紹介】
宮澤 光(みやざわ・ひかる)
NPO法人世界遺産アカデミー主任研究員。北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。跡見学園女子大学非常勤講師。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 世界遺産』
監修:宮澤 光


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