パッケージ裏の記号で製造工場がわかる!? 広島発祥のカルビーが誇る生産体制と輸送の裏側【眠れなくなるほど面白い 図解 広島の話】

北海道から約3日かけてやってくるカルビーグループの「ポテト丸」

広島生まれの「かっぱえびせん」

 広島県が発祥の有名企業は数多くありますが、その1つが大手菓子メーカー「カルビー」です。

 同社は、昭和24年(1949)に広島市で松尾糧食工業として創業し、昭和30年(1955)にカルビー製菓(現在はカルビー)へ改称。「カルビー」という社名は、カルシウムの「カル」と、ビタミンB₁を組み合わせた造語で、人々の健康に役立つ商品づくりを目指して名付けられました。

 カルビーの代表的ロングセラー商品「かっぱえびせん」は、昭和30年(1955)発売の「かっぱあられ」シリーズの最終商品として昭和39年(1964)に誕生。つまり、国民的スナック菓子のかっぱえびせんも広島生まれです。

 昭和48年(1973)、カルビーは本社を東京へ移転しましたが、今も広島には同社の工場が複数あり、かっぱえびせんやポテトチップス、サッポロポテトなどの主力商品が製造されています。

 カルビーのポテトチップス用のジャガイモは約8割が北海道で生産されており、その一部を輸送するのが専用コンテナ船「ポテト丸」です(※)。現在運航しているポテト丸は、平成29年(2017)年にデビューした3代目。温度管理機能や換気装置を完備しており、約850tのジャガイモを、北海道から主に広島・鹿児島の工場まで3~4日かけて鮮度を落とさず長距離輸送しています。

※船はポテト丸以外もあります。

カルビーポテトの運搬船と生産拠点

【ポテト丸】

 北海道で収穫したジャガイモを鮮度を落とさないように工場へ輸送し、安定したポテトチップス生産を支えている。じゃがいもの調達、品種開発、栽培指導などを行うカルビーのグループ会社・カルビーポテトが運営。船舶の所有者および運航・管理はエヴァラインが担っている。

 6階建ての船内には、ジャガイモの品質を保つための喚起ファンや温度センサー、冷暖房が完備され、貯蔵庫の機能を船に持たせている。

【昭和50年(1975)発売のカルビー主力商品の1つ「ポテトチップス うすしお味」】

令和7年(2025)に稼働を開始した、せとうち広島工場(広島市佐伯区)も同商品の生産拠点の1つ。

製造された工場がわかる記号

カルビー商品のパッケージの裏側を見ると、賞味期限の横にアルファベットが記載されています。この「製造所固有記号」を見れば、どこの工場で製造されたかがわかります。

【カルビーの製造所固有記号(工場)】

工場名(所在都道府県)記号
北海道工場(北海道)C
帯広工場(北海道)P
北海道フーズ(北海道)S
新宇都宮工場(栃木県)NU
清原工場(栃木県)OI/R
下妻工場(茨城県)I
ポテトフーズ東松山工場(埼玉県)Y
岐阜かかみがはら工場(岐阜県)G
工場名(所在都道府県)記号
関西びわこ工場(滋賀県)B(b)
京都工場(京都府)A
広島みやじま工場(広島県)H
広島はつかいち工場(広島県)M
せとうち広島工場(広島県)SH
鹿児島工場(鹿児島県)K
R&D センター(栃木県)R
カルビー・イートーク湖南工場
(滋賀県)
E
山芳製菓 関西工場(兵庫県)W

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 広島の話』監修:佐々木卓也

【監修者情報】
佐々木卓也(ささき・たくや)

野外歴史地理学研究家。第35回広島文化賞受賞(平成26年度)。昭和29(1954) 年8月1日、広島市佐伯区生まれ。間学苑:時空人論研究所主宰、ひろしま歴史街道トリップ実行委員会座長、広島地名研究会事務局代表、石垣を讃える会代表世話人、棚田学会会員(元監事)、広島市内公民館活動団体指導員、中国新聞文化センター専属講師。広島県立広島観音高等学校卒業、奈良大学文学部地理学科卒業、広島大学大学院文学研究科研究生終了、京都大学教養部人文地理学教室研修員修了。国立呉工業高等専門学校・国立広島商船高等専門学校・国立大島商船高等専門学校・広島修道大学短期大学部講師を歴任。広島県史編纂室第三部会委員・広島市教育委員会調査委員・奈良広島両県町村史編纂委員を歴任。主著『芸備両国の条里遺構』(溪水社)、共著『広島県地名大辞典』(角川書店)、『日本地名基礎辞典』(日本文芸社)、『日本石造文化事典』(朝倉書店)ほか。専門は歴史地理学・地域民俗学・文化人類学・日本地名学ほか。趣味は歴史街道散策・石垣景観探訪・旅行企画策定など。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 広島の話』
監修:佐々木卓也


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