姿はそっくりなのに声は全然違う!日本のカッコウ4種の見分け方【鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書】

カッコウ目の鳥はカッコウ科だけで構成され、
約150種が南極大陸を除く世界中に分布しています。
あしの指が前向き2本、後向き2本の「対趾足(たいしそく)」が大きな特徴です。
多くが樹じゅ上じょう性せいですが、草原や砂漠にすむ種もいて、極めてバラエティに富んでいます。
この目の約40%が托卵(たくらん)という習性をもっているのも特徴です。

日本で繁殖するカッコウのなかまは4 種

鳴き声が名前に

 カッコウ科の鳥は、世界に約150種が知られ、北極や南極、アフリカとアラビア半島の乾燥地帯を除く世界中に分布しています。

 日本では1 1種が記録され、そのうちのカッコウ、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチの4 種が夏鳥として渡ってきて繁殖します。ジュウイチを除く3種は、頭が小さく太めの体で尾羽は長く、全体的には青灰色でお腹にはしま模様がある、とてもよく似た姿をしています。目の虹彩の色やしま模様の線の太さなどのわずかな違いが識別点ですが、写真で見比べても判断を迷うほどです。

 ところが、鳴き声はまったく違います。カッコウは「カッコー」、ホトトギスは「ホ、ト、ト、ギス」、ジュウイチは「ジューイチー」、ツツドリは筒の口を手のひらで叩いたような「ポンポン」と聞こえる声で鳴くことからこの名前がつけられました。すなわち、どの種も鳴き声が名前の由来。姿が見分けられなくても、声さえ聞けば簡単に識別できるのです。ただし、この声を発するのは繁殖期のオスだけです。

毛虫が大好物

 ほとんどのカッコウ類の主食は昆虫です。中でも大好きなのが鱗りん翅し 目もくの幼虫、いわゆる「毛虫」です。毛虫は体に長い毛が生えていて食べにくく、中には毒をもっている種もいるため、あまり鳥は食べません。

 しかし、カッコウ類の多くは好んで食べ、ある記録では、カッコウの胃の中にマイマイガの毛虫が100匹入っていたといいます。丸のみされた毛虫は胃の中で毛だけが残り、それをペリットと呼ばれる塊にして口から吐き出します。

意外に多様なカッコウ類

 日本で見られるカッコウ類は樹上性ですが、世界に目を向けるとじつにさまざまな種がいます。例えば、北アメリカ南西部の砂漠に生息するオオミチバシリは、ほとんどの時間を地面で過ごす地上性のカッコウ類です。この鳥は、とにかく走ることが得意で、ほとんど飛びません。時速30kmにも達するスピードで走り、トカゲやヘビなどを捕食します。このような習性から、現地ではロードランナーと呼ばれています。


【出典】『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』著:柴田佳秀/監修:小宮輝之

【著者紹介】
柴田 佳秀 (しばた・よしひで)
科学ジャーナリスト。1965年生まれ。10歳から野鳥観察をはじめる。東京農業大学卒。自然番組のディレクターとして世界各地の鳥類を取材。2005年からフリーランス。図鑑・書籍の執筆や講演、自然番組の監修などに携わる。著書多数。日本鳥学会会員、都市鳥研究会幹事。
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【監修者紹介】
小宮 輝之 (こみや・てるゆき)
1972年多摩動物公園の飼育係に就職。2004〜2011年まで上野動物園園長。日本動物園水族館協会会長、日本博物館協会副会長を歴任する。2022年から日本鳥類保護連盟会長。環境省トキ野生復帰検討会委員、山階鳥類研究所評議員などを務める。

【書誌情報】
『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』
著:柴田佳秀/監修:小宮輝之


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