時速70kmで走る! ダチョウが速く走れる「2本指」の秘密【鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書】

【鳥のなかまたち】
世界と日本にくらす多様な鳥たちの個性豊かな姿や生態、

人間との関わりの歴史など、鳥類全体の奥深い魅力を紹介します。


世界最大で俊足の鳥ダチョウ

古い特徴を残すダチョウ

 現在の鳥類は、上あごの骨のつくりの違いによって、「古口蓋類」と「新口蓋類」の大きく2つに分けられ、古口蓋類は、は虫類に似た古い特徴が残っています。ダチョウ目は、現在見られる古口蓋類の中でも、最も早い時期に分かれたグループと考えられています。現在知られているのは、ダチョウ科のダチョウとソマリダチョウの2種です。

飛べないけど俊足

 ダチョウは、現生する鳥類の中で世界最大の鳥です。背の高さは2mを超え、オスでは体重が130kgほどになることもあります。アフリカの草原や半乾燥地帯に生息し、開けた環境の地上で生活する鳥です。

 ダチョウは、走ることに特化しています。あしには発達した強い筋肉があり、時速70kmもの速さで走ります。おもしろいのがあしの形です。多くの鳥ではあしの指は3~4本ですが、ダチョウは2本。これは現在生きている鳥類ではダチョウだけに見られる特徴で、速く走るための適応と考えられています。

 大きな翼もありますが、羽毛が柔らかいため飛ぶことには向いていません。翼は、走るときにバランスをとったり、求愛のときに大きく広げてアピールしたりするときに使われます。

強いメスは子孫を残しやすい

 繁殖のしかたもユニークです。繁殖形態は、一夫一妻になる場合もあれば、1羽のオスが複数のメスとグループをつくって繁殖する場合もあります。巣は地面を浅く掘っただけの簡単なもので、複数のメスが同じ巣に産卵します。そのため、1つの巣に20個ほどの卵が集まることもあります。卵は、主に最上位のメスとオスが交代であたためます。メスの間には順位があり、最上位のメスは、卵がよくあたためられる巣の中央部に卵を産みます。順位の低いメスほど、卵は外側に置かれるため、捕食者に食べられたり、十分にあたためられなかったりして、ふ化しないこともあります。

 ヒナは早成性で、ふ化するとすぐに歩くことができます。すぐに自分で食べものをついばめるようになり、親について移動しながら成長していきます。

【出典】『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』著:柴田佳秀/監修:小宮輝之

【著者紹介】
柴田 佳秀 (しばた・よしひで)
科学ジャーナリスト。1965年生まれ。10歳から野鳥観察をはじめる。東京農業大学卒。自然番組のディレクターとして世界各地の鳥類を取材。2005年からフリーランス。図鑑・書籍の執筆や講演、自然番組の監修などに携わる。著書多数。日本鳥学会会員、都市鳥研究会幹事。
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【監修者紹介】
小宮 輝之 (こみや・てるゆき)
1972年多摩動物公園の飼育係に就職。2004〜2011年まで上野動物園園長。日本動物園水族館協会会長、日本博物館協会副会長を歴任する。2022年から日本鳥類保護連盟会長。環境省トキ野生復帰検討会委員、山階鳥類研究所評議員などを務める。

【書誌情報】
『鳥検定公式ガイドブック 鳥の教科書』
著:柴田佳秀/監修:小宮輝之


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「鳥検定」(2027年初頭に第1回実施予定)の公式ガイドブック。検定試験の問題はすべて本書から出題される。
野鳥の観察を趣味としている人たちをはじめ、文鳥やインコなど鳥をペットとして飼っている、コンパニオンバード愛好家など“鳥ファン”は数多い。2024年末~25年初めに国立科学博物館で開催された特別展「鳥」は、多くの来場者で賑わいを見せた。
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