「ひとりが好き」な人も孤立のリスクは同じ!老後の人付き合いの重要性【図解&イラストですぐわかる 老後の安心ひとり暮らし】

\人付き合いのこと/
年齢とともに減りがちな「人付き合い」。
けれどおひとりさまにとっては、心身のためにも、「もしものとき」のためにも、とても大切なものです。

人のつながりが健康のヒケツ!誰かとこまめに連絡をとろう

・他者との交流の減少は、心と体の健康に影響する重要な問題。
・週に1回以上、人との交流を保つことがフレイル予防になる。

「誰とも話していない」が続いていませんか?

今後の健康を守るうえで重要な概念「フレイル」(心身のはたらきが徐々に弱ってくる状態)を予防する運動や食事について、ここまでお伝えしてきました。しかし、フレイルの予防には運動・食事だけでなくもう一つ大切な柱があります。それは一体何でしょう?

答えは「社会参加」、つまり人とのつながりです。フレイルは、社会とのつながりが希薄になることをきっかけに始まる場合が多いと言われているのです*1。

ひとり暮らしを続けるうちに、いつの間にか誰とも話さない日が続くようになってしまった――心当たりのある方もいるのではないでしょうか。しかし、裏を返せば、社会とのつながりを保つことで、フレイルのリスクは遠ざけられるのです。たとえば友人と電話する、ご近所さんとお茶を飲む、顔馴染みのお店の商談と話す。そうした何気ないかかわりをもつことが、今後の健康に深く関係していくというわけです。

では、どのくらいの頻度で交流があるとよいのでしょうか。研究では、同居者以外との交流が毎日頻繁にある高齢者に比べて、週1回未満の高齢者では10年間で要介護になるリスクが明らかに高くなることが報告されています*2。ですから、まずは週に1回(もちろん、できそうならより多く)、誰かと連絡を取り合ったり、交流したりすることを心がけるようにしましょう。

人とのつながりを保つことが健康につながる

お茶会

友達や家族と電話

散歩やお出かけ

生涯学習(趣味・健康活動・学び直し)

ボランティア活動

地域奉仕活動(自治会など)

「ひとりが好き」な人も交流を

「ひとりでいることが好き」という人にとっても、人付き合いは必要なのでしょうか?

実は、最近の研究では、ひとりの時間を好む傾向が強い人でも、社会的に孤立することによる精神的健康への悪影響は弱まらないことが示されています*3。

ひとりが好きなおひとりさまはがっかりかもしれませんが、やはり時々は外に出て人と触れ合うことを大切にしたいですね。


*1:Tanaka T, et al. Geriatr Gerontol Int. 2022;22(5):384-91.
*2:斉藤雅茂, 他. 日本公衛誌. 2015;62(3):95-105.
*3:Sakurai R, et al. J Affect Disord. 2024;365:466-73.


【出典】『図解&イラストですぐわかる 老後の安心ひとり暮らし』監修:名鉄病院 病院長 葛谷雅文

【監修者】
葛谷 雅文(くずや・まさふみ) 名鉄病院 病院長/名古屋大学名誉教授
1989年名古屋大学大学院医学研究科(老年医学)修了。1991年米国立老化研究所に留学。帰国後、名古屋大学医学部(老年科)助手、講師、助教授を経て2011年名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学分野教授。2022年より現職。老年医学、フレイル研究・診療のエキスパート。高齢者の低栄養問題を早くから指摘し、医療従事者や一般市民への啓発に尽力。日本老年医学会老年科専門医・指導医・名誉会員、日本動脈硬化学会動脈硬化専門医・名誉会員、日本臨床栄養学会指導医・理事、日本サルコペニア・フレイル学会名誉会員、日本栄養治療学会名誉会員ほかを務める。

【書誌情報】
『図解&イラストですぐわかる 老後の安心ひとり暮らし』
監修:名鉄病院 病院長 葛谷雅文


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