少食や朝食抜きで陥る慢性的なエネルギー不足!子どもの健やかな成長を守る食事の基本【一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん】

成長に必要なエネルギーは思ったよりも多い

 子どもは体が小さいため「食べる量も少なくてよい」と思われがちです。しかし実際には、成長期の子どもは大人と同じくらい、あるいはそれ以上のエネルギーを必要とする場合があります。

 8〜9歳の推定エネルギー必要量は、身体活動レベルによって異なりますが、男児で1600〜2100kcal、女児で1500〜1900kcalとされています。さらに10〜11歳になると、男児では2250kcal、女児でも2100kcalが必要とされています(出典: 厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』)。これは、活動量が少ない成人女性の必要エネルギー量(約1700〜2050kcal)に近い水準です。つまり、子どもは体が小さくても、「体を動かすためのエネルギー」に加えて、「成長するためのエネルギー」も必要としているのです。

 特に、スポーツをしているなど、運動量が多い子どもでは必要量がさらに増えます。8〜9歳男児では2100kcal、10〜11歳男児では2500kcalが目安とされており、大人以上のエネルギーが必要になることもあります。

 一方で、朝食を食べない、少食、食事量にムラがあるといった状態では、必要なエネルギーを十分に得られない場合があります。食事だけでは不足する場合は、補食を上手に活用しましょう。補食は単なるおやつではなく、成長に必要な栄養を補う「食事の一部」として考えます。

 ただし、大切なのは「とにかくたくさん食べること」でなく、年齢や体格、活動量に合わせて、必要な量を無理なく継続して摂ることです。

どのくらい食べていますか?

 子どもの体は、ただ現状を維持しているわけではありません。骨は伸び、筋肉は増え、血液量も増加し、神経回路も発達しています。これらすべてにエネルギーが使われています。つまり、「伸びるための余裕」が必要なのです。ところが、「朝は食べない」「少食だから仕方ない」「間食で済ませている」といった状況では、慢性的なエネルギー不足に陥ることがあります。エネルギーが不足すると、体は成長よりも生命維持を優先します。すると、身長の伸びや体力の向上が後回しになります。

8歳女子の食事例

(朝)●オレンジジュース ●小さなクリームパン
(昼)●給食(ごはんを残す)
(おやつ)●スナック菓子
(夜)●白ごはん(少なめ) ●から揚げ(3個) ●みそ汁

それなりに食べているように見えて1,700kcalに少し足りないエネルギー量

▶ 補食を活用

 補食には、お菓子や菓子パンといったものではなく、おにぎり、チーズ、ヨーグルト、バナナなどのエネルギーと栄養を同時に補える食品がおすすめ。カロリーの目安としては、1 回150~300kcal程度を補食で追加することで、1日の不足分を無理なくカバーできます。

【出典】『一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん』著:沼倉裕堅 / 監修:藤原朋未 / イラスト:カヤヒロヤ

【著者紹介】
沼倉裕堅(ぬまくら・ひろかた)
医師、SBC 整形外科クリニック 西新宿本院 院長。東北大学医学部卒業。湘南藤沢徳洲会病院にて研修中、「仮骨延長法」に出会い、身長治療の道を志す。スカイ整形外科クリニックで整形外科医として経験を積んだ後、SBCメディカルグループに参画。現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、成長期のお子さんや、将来を案ずる保護者と向き合い、「のびのび先生」の愛称でも親しまれている。体の成長に悩むすべての方に対し、最適な選択肢を提示する医療を信条とする。専門分野は身長治療および整形外科一般。

【書誌情報】
『一生モノの体を戦略的につくる 伸びごはん』
著:沼倉裕堅 / 監修:藤原朋未


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