特別な運動は不要!掃除や料理の積み重ねでフレイル発症リスクを下げる生活習慣【図解&イラストですぐわかる 老後の安心ひとり暮らし】

運動習慣のない人も! 日常生活で体を動かそう

●体を動かすことは、フレイル予防をはじめ、健康維持に欠かせない大切な習慣。
●運動習慣のない人も、日常生活のなかでこまめに動こう。

日常生活のなかでこまめに動くのが大切

もともと運動習慣がない、体力に自信がない、膝や腰が痛い――シニア期にありがちな状況ではありますが、運動(身体活動)は、フレイル予防はもちろん、健康維持にとって欠かせないものです。

とはいえ、特にこれまで運動を習慣にしてこなかった方にとって、改めて運動を始めるのは大変なこと。そこで意識したいのは、「日常生活のなかでできるだけ体を動かすこと」です。

「なんだ、そんなこと?」と思われそうですが、こうした「非運動性活動」と呼ばれる、典型的な運動以外の身体活動が健康に与える影響は、従来考えられていたよりも大きいことが、近年の研究で明らかになってきています*1。

散歩や買い物など、日常生活でさまざまな身体活動を積み重ねることは、健康維持にとってやはりとても大切なのです。フレイル予防の観点でみても、掃除や庭仕事、買い物といった日常生活に溶け込んでいる身体活動(日常生活活動)が習慣化されていれば、運動並みの効果が得られます*2。

家事は「一石二鳥」の運動

家の中や庭をきれいに保つ、買い物に行く、自炊をする、洗濯物をたたむ……といった、ひとりで暮らしていると億劫になりがちなことは、実はどれも健康にとって大切な「運動」の代わりになるんだ、と思えば、一石二鳥と思えてきませんか?

*1:Levine, JA. J Intern Med. 2007;262(3):273-87.
*2:フレイル予防啓発に関する有識者委員会「フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する声明と提言」(2022)


日常生活のひとつひとつが運動になる

非運動性活動(日常生活活動)の例

運動習慣がなくても、健康リスクは下げられる!

フレイルの新規発症リスクの比較(7年間の比較)

※統計学的に有意差あり(p<0.05)
呂偉達, 他. 第10回日本サルコペニア・フレイル学会学術集会発表(2023)より作成

【出典】『図解&イラストですぐわかる 老後の安心ひとり暮らし』監修:名鉄病院 病院長 葛谷雅文

【監修者】
葛谷 雅文(くずや・まさふみ) 名鉄病院 病院長/名古屋大学名誉教授
1989年名古屋大学大学院医学研究科(老年医学)修了。1991年米国立老化研究所に留学。帰国後、名古屋大学医学部(老年科)助手、講師、助教授を経て2011年名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学分野教授。2022年より現職。老年医学、フレイル研究・診療のエキスパート。高齢者の低栄養問題を早くから指摘し、医療従事者や一般市民への啓発に尽力。日本老年医学会老年科専門医・指導医・名誉会員、日本動脈硬化学会動脈硬化専門医・名誉会員、日本臨床栄養学会指導医・理事、日本サルコペニア・フレイル学会名誉会員、日本栄養治療学会名誉会員ほかを務める。

【書誌情報】
『図解&イラストですぐわかる 老後の安心ひとり暮らし』
監修:名鉄病院 病院長 葛谷雅文


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